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skill world  作者: 松佐
第壱章 魔法学園
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第13話 奴隷を買いました!


換金を終えた私はその日、王都で宿を取った。昼間からハッスルしている2人がいるテントで安眠はできそうになかったからだ。少しくらい私の都合も考えてほしかったので、罰として朝食の準備は自分達でするように書置きを残しておいた。姫様はあれで一級品の料理の腕前を保持しているし、ミリエもそのサバイバルスキルは目を見張るものがある。心配しないでいい。宿で一夜を過ごした翌日、冒険者稼業用の服装に着替えてギルドに出向いた。ダンジョンに挑んでばかりじゃ気も滅入るし、そろそろ計画を実行に移しても問題ないと思ったから、ギルドで奴隷商の解体を受ける。これは国からの依頼である。本来、この帝国では奴隷制度を認めてはいない。しかし、国では把握しきれない暗部はあちらこちらに蔓延り、根を張っている。奴隷商もその1つで王都にも複数存在している。存在自体は知られているが、国が動けば大事になるし、何よりも国が動くには時間が掛かり、情報が漏れる。奴隷商は情報にミリエほどではないが敏く、国から手を引き撤退する速度は並ではない。国が動いた頃には既にもぬけの殻というのが常である。そのところ、冒険者であれば、準備期間も短く迅速な行動が取れる。また、この依頼は公にされておらず、受注可能な冒険者は高ランカーだけで秘密裏に処理されるため、嗅ぎ付けられることもない。気になる報酬は奴隷商が溜め込んだ金品である。私用で奴隷商に行くつもりだったので、ついでに滅ぼしてこようと思う。私用といっても奴隷を買うだけなのだが、私が金に固執したのは奴隷を買うためなのだ。この世界の奴隷との契約は面倒で、いや難儀なもので、契約するには金がいる。まあ、買い取ることと同義なのだけれど、買われるまで奴隷の所有権は奴隷商にあるのは当然だ。そして、奴隷を奴隷足らしめるのが隷属の首輪や腕輪と言った一種の魔道具である。その魔道具にも所有者認証という機能があり、所有者権限の譲渡には現所有者の言い値を支払う必要があり、面倒な事に支払った金には呪いが掛かる。その呪いは所有者権限を得るために支払われた硬貨は硬貨を支払った者の手に2度と戻らないというもので、高位の神官にも解除不可能。その損失があるため、私は金を多くより多くと貯めてきたのだ。それさえなければ、奴隷を買った後に取り返してやるのに呪いは強力なものだ。触ろうものなら電流が走り、硬貨はどこかへ飛んでいく。近づけば逃げられるのだ、要するに。金に逃げられる光景は非常にシュールだ。


ところ変わって、奴隷商。さすがに目立つ大通りに店を構えるわけはなく、入り組んだ裏路地に店を構えている。王都は私の庭と断言できる程度には歩き回っていて、よくミリエと王都全域を使った鬼ごっこをしたものだ。そんな中で奴隷商の店は幾つか見つけてあったし、私自身も拐われかけて何度も撃退したので、ある意味で宿敵だ。堂々と店の暖簾を潜る。店の外観は割と小奇麗だ。


「いらっしゃいませ。当店にようこそおいで頂きました。本日の御用はどのような?」


「黒髪の奴隷と獣人の奴隷を性別に拘わりなく全て見せてください」


全てと言われて、店番らしき男は嫌な顔をした。面倒だと思っているのだろう。しかし、店番の男は次の瞬間、店の奥から出てきた男に張り倒された。突然のことに驚く店番の男を捨て置き、現れた男は綺麗な動作で頭を下げた。終始無言だが、客への礼節を欠いた店員の態度についての謝罪だと解釈する。奴隷商をしている割に中々どうして綺麗な商人根性を感じさせる。目に濁りもない。だが、奴隷商の総支配人だと勘が告げている。その後の動きは迅速で数分経ち、案内された部屋にはずらりと黒髪の奴隷と獣人の奴隷が立ち並んでいた。案内人はご自由にと腰を折って礼をする。並べられていた奴隷の男女比は男が4で女が6だ。特に獣人の女の子はいい。もふもふしている。衝動に任せて、全員を買い取ってしまいたいが、明確な目的があるので今度の機会にする。先に黒髪の奴隷を目を凝らして見ていく。この奴隷商にいるはずの人物を探し、そして見つけた。


「今から約200年前の世界的英雄が、いえ勇者が奴隷とは、どんな心境の変化です?第6代勇者郷野瑪こうのめ 救世ぐぜさん。知った事実に打ちのめされでもしましたか?」


精緻な美貌を持つ艶の多い黒髪の女性にそう話しかける。勇者とは異界より招かれた存在で一応に元いた世界に絶望した者、失望した者、そうした負の感情のうちに生を失った者が召喚対象となる。異界の境を超える段階で何かしらの特殊能力を習得し、自動的に職業,勇者が与えられ、その補正は凄まじい。勇者とは有り体に言うと人類最大の切り札とも言える生物兵器だ。この女性は200年前に召喚され、当時の魔王を討伐した本人である。勇者は不老だが死にはする。けれど、自然死は絶対にしない。殺されなければ、世界の終焉までだって生きている、勇者とはそのような存在だ。ちなみに彼女以前の勇者は一様に当時の魔王と相打ちになったとされる。詳しくは大陸中に散らばる魔王の記憶を根こそぎ殺せば、事実が分かるだろう。私は資格を持つ者だから。かつての勇者は立ってはいるが、目に覇気はない。記録によれば、彼女は非常に心優しく本当は虫も殺せないような方で魔王の討伐も魔王が人々を苦しめる存在でなければ、是としない人だったらしい。そんな彼女が魔王討伐の先に物事の真実を見たのだろう。魔王討伐を終えた彼女は人知れず、消えている。静かな所で生きていて、この場に辿り着いたと私は予想しているが、だとすれば数奇な運命である。私もあまり変わりはしないのだが。とりあえず、彼女を買うことは決定事項だ。あと、幾人か黒髪の奴隷から選出してから、獣人の女性を吟味しに入る。男?優秀且つ美形じゃないと買う必要性を感じない。愛でたくて愛でたくて堪らないが、理性で衝動を押さえ込み選出し、選んだ奴隷を連れて最初に出てきた総支配人と対談する。


「計18名の奴隷をご所望ということでよろしいですか?」


「構いません。お値段の方は?」


「お客様の目は大変肥えてらっしゃるのか一級の者達ばかりですから、そうですね。最低でも300,000,000ダラスとなります」


「300,000,000ダラスですか。どうぞ」


ぽんと無造作に300,000,000ダラス分の硬貨をばら撒く。そして所有者権限の譲渡を行い、完了後に最上の笑顔で総支配人の首を瞬時に抜刀した愛刀で斬り落とした。突然の事態に動揺する店員を絶命させ、店内に奴隷以外人間がいない事を確認してから金品を回収する。奴隷達も亜空間に押し込み、ギルドへの報告も済ませ、件の温泉へと飛んだ。そこで奴隷達を亜空間から出して、入浴を命じた。私はまた王都に戻り、スキルを売る店で躾と調教に鑑定を買い、覚えてから温泉へと戻る。奴隷と言っても、所有者権限を持つ者に逆らえないだけで感情は抑圧されていない。結論から言うと獣人の女の子の入浴シーンは非常に眼福であり、目の保養になった。尤も18人中6人が男で年は一番高くて20、一番下が9歳くらいであり、数の所為もあるが色んな意味で肩身が狭そうだ。何故って、美人さんや美少女ばかり選出したのだから当然だろう。まあ、20歳の年長さんと17歳の少年は動じていないが・・なんか、あの2人は会長と同類な気がする。そして、最年少の男の子が色っぽい黒髪のお姉さんに弄られ、いえ愛でられていた。黒髪のお姉さん=先代勇者の救世さんである。あんな覇気のない瞳が今は生き生きしており、反対に男の子は顔を真っ赤にして羞恥に耐えている・・救世さんはショタコンらしい。何にせよ、活力が戻ったようで何よりだ。さて、覚えた調教と躾で1人1人従順にしていこうか。強制はしたくないが、仕様がない。必要事項+自身の欲望のために・・ふふふ。その後、獣人の幾人かを順番に呼び調教と躾を併用しながら耳と尻尾を愛でて愛でて愛でまくった。はふぅ~、満足満足。それと意外に両性具有の方は多いのかカップルが幾つか成立していた。ご都合主義だなとつくづく思う。この世界が創造された理由など歴史書を紐解けば簡単に出てくる事実だ。詰まる所、神の幾柱かが色欲旺盛なのだろう。美女と美少女の絡みはそれだけ目に毒だ。それに神話に出てくる男神の殆どは色欲の性質を持っているし、神が着目するのは大きな出来事の中心人物である。そういう点なら私も役的には十分だ。色欲的な要素が多いのも頷ける。神様の干渉は結構日常茶飯なのだ。閑話休題。


会長と同類っぽい2人だが、自身の手中に収める標的を既に定めているのか標的に熱い視線を送っている。送られる相手も如何せん美形に情熱的な視線を向けられて、照れている様子だ。見た目の良さも会長と同類なのである。私が美形を標準ステータスに選出した結果がこれというだけなのだが。で、2人の執着の対象である少女達は確か私と同い年の15歳で虎縞の尻尾及び髪と耳、レモン色の髪と狐耳及び尻尾が印象的な2人である。特に虎縞の子は髪も2色なので目立っていた。ちなみに前者を年長さんが後者を17歳の少年が狙っている。見た感じ、虎縞の方は活発でやんちゃな子で狐さんは大人しい恋愛に奥手そうな子だ。男2人の目は獰猛な猛禽類のそれで女の子2人に少し同情しつつ、入浴終了を伝えて予め用意していた装束を人数分差し出す。燕尾服とメイド服である。一同が呆気に取られる中であの男2人だけは悠然と私に歩み寄って燕尾服を持っていき、瞬時に着替えた。な、なんていう早着替え!私の着せ替えにも匹敵する速度だと!?その早着替えの技量は驚嘆に値するものだ。分かってはいたが、有能性も会長と同類らしい。暫し着替えの時間を取り、着替えが終了して全員が集合してから本題を持ち出した。


「私は今日から皆さんの主人になるシェアラといいます。いえ、主人ではなくリーダーですね。基本的に無理な命令の強制をするつもりはありません。幾つか言う事をこなして頂ければ、そのうち奴隷という身分からも解放します」


奴隷の身分から解放するの部分で幾人かが驚いた表情をする。それを咎めはしない。咎める理由にもならないが、普通は奴隷を解放する者はいない。好色な貴族は使い潰して、捨てるなんて非人道的な真似もするが私はそんなつもりは小指の爪ほどもない。


「解放後もある程度の意向には従ってもらいますが、解放後も前も衣食住は保証します。ちなみに恋愛や結婚も自由にしてもらって構いません。さすがに結婚ともなると奴隷の身分では厳しいでしょうし、奴隷からの解放まで待ってもらいますが、最初に言ったように抑圧はなるべくしません。そして、皆さんにやって頂く事ですが、冒険者及び傭兵団となって私と共に働いてほしいのです。了承するなら首肯してください」


奴隷に対しては好条件過ぎる待遇のはずだ。案の定、拒否する者はいなかった。特に救世さんと男2人は恋愛と結婚が自由だと言った所で意中の相手を凝視していた。相手に気付かれずに、という高難度の技術を用いてだ。救世さんの視線はもちろん最年少のクルト君に注がれている。


「まず、冒険者としての活動時の注意事項ですが、基本的に複数人で行動してください。幾人かは冒険者だったようですが、知っての通り奴隷になる前のギルドランクは奴隷になった瞬間に剥奪されているので、再発行になります。皆さんには冒険者に登録して頂きますが、登録後すぐに私とパーティーを組んでください。そうすれば、Aランクまでなら依頼を受注可能になるので、最初は迅速なギルドランクの昇格を目指してください。そして、奴隷からの解放の条件として提示するのは月毎に一定金額を私に収めること、私の意向に基本的に従うこと、各自が戦闘能力の向上に取り組むこと、死なない事です。傭兵団に関しては皆さんの名がそれなりになった頃に結成します。先んず、ギルドに送るので登録してください」


最初と同じく18人を亜空間に。そして、また王都のギルドに移動して登録作業を行う。パーティーを組む以上は本人が居なくては色々と問題になるのだ。で、名が知れており且つ目立つ格好の私が燕尾服とメイド服の集団を引き連れてギルドのドアを潜るという光景は凄く人目を惹いたようで外に野次が集まっていたが、無視した。登録は馴染みの受付嬢さんにしてもらう。クルト君の年齢で大丈夫かって?年齢詐称すれば問題ない。受付嬢さんは私がパーティーのリーダーを務めることに驚き根掘り葉掘り聞かれ、信用にたる人物なので実力があるのに低ランクから可哀想だと本音を言っておいた。全員の登録等が終了し、次は拠点をどこにするかだ。ところが、拠点については運良く帝王が排除した欲塗れの貴族の屋敷が空き家と化していたので、奴隷商で得た金品合計十数億ダラスで買い取れた。早速、屋敷に向かって中を掃除させた。掃除と言いつつも浄化の連発するだけである。一段落してから執務室に呼び集め、亜空間にしまっていた攻撃力より耐久性を重視した得物の数々を取り出し、それぞれに選んでもらう。


「解かると思うのですが、それほど上等な物ではありません。より良い物を望むなら自身でお金を稼ぎ、買ってください。それと月毎に払って頂く金額は月収の4割です。当然、休暇も与えます。ですが、殆ど毎日働いてもらうので、覚悟はしてください」


その他の重要事項を伝え、その日は王都のお食事処で外食した。年長さんことネイルさんと17歳のギル君はそれぞれ虎縞のスイクちゃんと狐のニナちゃんに餌付けしている。スイクちゃんもニナちゃんも拒否せずに成されるがままだ。これは脈有りなのかもしれない。

救世さんもクルト君に餌付けしている。嬉々として料理を頬張るクルト君は微笑ましさ満点だ。帰りに下着や日常生活での必需品、食材も買い揃え、拠点に戻った。この拠点となる屋敷も魔法的な改造をおいおい施して行こうと思う。下着や寝具をそれぞれに配り、明日以降は各自で行動するよう伝え、最後に部屋割は自由だと言っておいた。スイクちゃんやニナちゃん、クルト君が性的に捕食されない事を祈りつつ、折角王都にいるので学園の屋上にある自室で寝ることにした。明日は草原エリアの攻略だ。


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