第1話 始まり
神々は、数多の世界の神々は宇宙を創造し、惑星を誕生させ、生命を生み出した。
やがて、生命は独自の進化を遂げ、枝分かれするように様々な種族へと、様々な生物へと変化していく。
そして、人が生まれ、同時に文明は急速な発展を遂げて行き、創造主である神々の力を必要としなった。
剰え、人々の記憶から神々の存在は薄れて行く。
神々は飽いた。過去、現在、未来の全てに飽いた。神とは言わば、世界を管理する者の頂点に立つ存在。
自らが生み出した我が子らが生みの親を忘れ、勝手に成長していく。
かつて、生命は自分たちに頼らねば、生きていけぬ弱者だったのに。
それは、非常につまらない。変わらず、発展を続ける我が子らを眺める日々は酷く空虚で暇だった。
いつしか数多の神々は創造主の力を持って、管理の代理を立てるようになった。
職務を放棄したとも言える神々は異世界の神とも交流し、そして1つの世界を創り上げた。
暇潰しのために1つの世界を創り上げた。これは、その世界を舞台にした物語である。その世界に生きる
人々は日々を懸命に生きる。喜び、怒り、哀しみ、恨み、憎み、愛し、様々な感情を抱き抱きながら、
様々な経験をしながら、人々は人それぞれの物語を、人生という名の物語を紡ぎ奏でて行く。
神々の暇を紛らわすための、人生という名の物語を。