表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/19

第十六章:すれ違い ――“神の騎士たち”


 王都への道のりも半ばを過ぎた頃。

 一行は、霧深い峠道に差しかかっていた。


「……視界が悪い。」

 アレクが馬を止め、周囲を見渡す。


「この辺りは、昔から“霊気が濃い”って言われてる。」

 レイが静かに答える。


「魔獣は出ませんが、代わりに“人の気配”が消える場所だ。

 ……気をつけろ。」


 そのとき――


「前方より騎馬隊接近!」


 神殿の使者が声を上げた。


 霧の中から現れたのは、

 白銀の鎧に身を包んだ騎士たちの一団。

 その胸には、神殿の“聖印”が刻まれていた。


 **神殿騎士団・第七巡察隊**。

 異端審問と戒律執行を担う、神殿の“影の刃”。


 

「……あれが、神殿騎士団。」

 ユリウスが小声で呟く。


「なんか、空気が重いな……。」

 ミヒャエルが眉をひそめる。


 騎士団の先頭に立つのは、

 黒馬に跨った長身の男。

 顔の半分を仮面で覆い、

 その瞳だけが、鋭くレイたちを射抜いていた。


「……“あの者”が、うわさの”つなぐもの”か?」


 男は馬を止め、レイを見つめた。


「……。」


 レイはだまって、その視線を受け止め、

 無言で馬を進めた。


「……何者ですか、あの男?」

 ティナが不安げに尋ねる。


「……知らない方が、いい。」

 レイの声は低く、鋭かった。


「でも、覚えておいたほうがいい。

 “神の名を語る者”が、

 必ずしも“正義”とは限らないと。」


 

 神殿騎士団は、何も言わずに去っていった。

 だが、その背中は、まるで“監視者”のように感じられた。


「……あれ、絶対また出てくるパターンだよな。」

 ミヒャエルがぼそりと呟く。


「ええ。しかも、ただの騎士ではないな。」

 アレクが頷く。


「……あの仮面の男、

 神殿の“異端審問官”かもしれません。」

 ミヒャエルがぼそりと呟いた。


 レイは空を見上げた。


 霧の向こうに、うっすらと王都の尖塔が見え始めていた。


「……急いだほうがいいだろう。」

 ぽつりと振ってきた雨にアレクが嫌そう顔を浮かべた。

 

 「今頃、神殿は、私たちを待ちかえているのかな。」

 ユリウスがうんざり顔で見えてきた王都の小塔を睨みつけた。

 あの先に神殿がある。


 「嬉しそうに歓迎する顔で、牙を隠しながらかな。」

 ミヒャエルはなぜか嬉しそうな顔だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ