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修行編 三訓を成し、奥義を見る

22.修行編、柿を食す。


「私はセファリア・ウィンドレイア」

「竜の姿になり、空を駆る者だ」

「君のことは風に聞いた」

「この修行を通して互いのことをもっと知っていけたら、と思う」

「では、宜しく頼む」


「まずは、砂だ。砂を担げ」

「その内、私が乗ってやる」

「乙女の体重を、聞くな」

「おまっ、全力で引っ張ってるじゃ、ないか」

「ふふふ、私が、敗けたと言うまで力を付けて見せろ」

「飛龍に抗うか」

「強く、なったな……」

 最初は怪力の修行。

(重荷を担いで足腰鍛えよ、竜の重み、背負う覚悟はあるか)

 これを鍛え、力強く進む為の力を手にした。


 次は咆哮の修行。

(心身の弱きを起こし、竜の猛き、認めさせる覚悟はあるか)

 自身の心の弱さとの戦いだった。

 夜に何度も狼に襲われる。怪力を手にしてもそうだった。

 狼に吠えた所で何も変わらなかった。

 弱さを見透かされて襲われる。

 ユズリハに会いたいと言うのは、弱さだ。

 どうしようもない俺の心だ。

 だが、君の勇気となりたいという想い、どこまでも呼び覚ます。

 その想いには誰もが直撃する。誰もが自分の弱さを見つめざるを得なくする。

 心と心のぶつかり合いだ。


 そして竜鱗の修行。

(荒ぶる滝に晒され、竜の魂、磨く覚悟はあるか)

 俺の覚悟が試された。

 屈さない、まだだ、まだ、竜に至るまで。

 白装束が身体と一体化していく。まるで竜の鱗の様に。

 荒ぶる滝に打たれてどこまでも研ぎ澄まされる竜の魂。

 寒さに強く、硬く、靭やか。

 気づいたら竜を宿していた。

 

 修行を通して三ヶ月。

 柿を食しながら、山を感じ取っていた。


 セファリアが告げる。

「身体は作った」

「奥義・斬鉄の修行に入ろう」


___


23話 修行編 背負う覚悟を持てなかった


 俺はセファリアと共に竜の谷に来た。

 彼女に竜の狩りを見せて貰う。

 竜気を練り上げ、深く一撃を刻む。

 間合いに潜る。

 重さ、硬さを丁寧に切り分ける。

 刃を振り抜く。


 奥義・斬鉄を披露して凛とした立ち姿で鞘に刃を収めた彼女は言った。

「まあ、こんなものか」

「私が見てやる。まずは素振り千回だ」



 夕刻、セファリアがシリウスの所にやって来る。

「少し、組み手に付き合ってくれないか?」

「戦闘の感を取り戻したくてな。どちらかというと護衛向きだが」

 一休憩を入れ、セファリアがぽつぽつと話し出す。

「私はお前の力になりたい」

「頑張れって応援したい」

「私が必要な時は、頼れ」

「ユズリハ、だったか。太陽の巫女は見つけていたんだ」

「だが、共に運命を背負う覚悟を持てなかった」

「そんな時にお前だ。正直、馬鹿だと思ったよ」

「それでも、私に出来なかった事が出来るお前を見て、お前を信じて見ようと思ったんだ」

 シリウスは夕焼けが彼女の微笑みを染め上げるのを見た。



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