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巨龍と国軍

27.俺は、進む。揺らがない


 神都へと続く大門は、閉ざされてシリウスの行く手を阻んでいた。

 その巨大な扉に両の掌を添え、大地の龍脈から気を汲み上げる。

 気迫が昇り、竜気を練る、循環する力を身体が押し出す。

 竜を背負ったこの重さ、門よ、どうか俺の歩みを拒まないでくれ。


 重厚な門はゆっくり動いて行く。そして人二人分程度通れる様になった所で止まる。

「弓隊、構え、撃て!」

 弓矢の雨が降り注ぐ。

 逃げ場は無い、鋭い鏃が襲い来る。

「竜の魂よ、荒ぶる災禍を鎮め給え」

 シリウスに竜の鱗が浮ぶ。鋼鉄の鱗は銀に輝き、纏う鱗は鎧武者の姿をしていた。

 その鱗、雨を弾く様に、如何なる刃も通すこと無く。

 シリウスは鎧を震わせ、泰然とした歩みが鳴り響く。


「槍隊、出ろ!」

 槍兵の顔に恐れが浮かぶ、それでも抗う覚悟がある。


 そこでシリウスは吠えた。

「お前達にも譲れぬ物があるのは分かる」

「だが、俺も退かぬ。俺の歩みは止められない」

「その身を賭して尚、俺を止めるというのなら、竜の咆哮、その身で受けてみろ!」


 槍兵達はそこで負けを悟ったかの様に武器を手放していく。

「こんなの、無理だ。徒に兵を損なうだけだ……」


 突然、シリウスの身体が吹き飛ばされる。

 神獣の突進を受けた。

「不遜にも天を目指す者よ。神に与えられし獣の前に平伏すが良い」


 シリウスは彼を押さえ付ける身体を跳ね除け、言った。

「俺は、進む。決して、揺らがない」

「竜は巨大である」

 シリウスは巨龍化した。神獣は巨龍を見上げるしか無い。

 巨龍は腕を一薙ぎ、神獣を一蹴する。


 たとえ神の秩序を乱す冒涜であろうと。

 俺の一歩は止まらない。

 彼女に辿り着くまで、俺はどんな業でも背負って見せる。

 そしてシリウスは太陽を目指す。


 巨龍は国軍と対峙した。

 シリウスに絶望の時が訪れる。


___


28.ヒトの守りを知るが良い


 そして神都でも巨龍の姿が確認された。

「前方に巨龍の影を発見」

 ざわめく幕僚を静め、司令官は沈着に告げる。

「国軍を招集せよ。斬鉄兵も投入する」


 汗を流して訓練で己と集団を練り上げる者達。

 彼等は国軍。精兵にも劣らぬ、連携と集団の強みで恐怖に立ち向かう戦士達だ。

「伝令、伝令ッ」

 伝令は一言一句、魂の命令を告げる。

「総員、戦闘用意。目標は巨龍」

「繰り返す、総員、戦闘用意。目標は巨龍!」

「奴をこの地に踏み入らせは、しない」

 部隊長は国軍の整列を見届け、告げる。

「これより我軍は神話になる」

 重厚な鎧に身を包み、自分達も天を目指した者として巨龍に戦を挑む意志を滲ませる。

「戦う者が居る限り、我らもまた、共にある!」

 部隊長は誇り高く声を上げる。

「ヒトの守りを知るが良い」


 巨龍を狩る為の大剣を背負う斬鉄兵。斬鉄兵は白の鎧を纏い現場に現れる。斬鉄兵一人、一人が硬さと重さを断ち切る奥義に至った者だ。

「膝を狙うよ、足を止める」

 斬鉄兵隊長はバイザーを下ろして、剣を担ぐ。竜の鱗を斬る為に研がれた剣は輝いた。


 巨龍の足元に国軍が迫る。包囲網は完成した。


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