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第2話:気が付いたらゲームスタート前でした

 …そんなことを思っていた時期が私にもありました。

 でも無理。私が主人公(マーガレット)である限り、この世界(システム)からは逃げられない。この世界にきて数年経ってそう悟った。


 「どうしたの?マーガレット。体調が悪いの?」

 「ううん。大丈夫だよ、お母さん」


 心配そうに私を覗き込んでくる儚げな美女は、(マーガレット)の母親であるミレイユ。小さい頃に亡くなった父親の分まで働いて、私をここまで育ててくれた。いつかこの恩に報いなければならない。

 しかし、この人はゲームの中では主人公が聖女と発覚する前に病気で儚くなっている。主人公(マーガレット)はゲーム内で『もっと早く神聖魔法が使えるのがわかっていれば…』と呟いていた。神聖魔法は主に回復魔法や状態異常を治す魔法として知られている。使い手はかなり少ないが、病気を治すことは勿論、熟練の使い手となれば死者を生き返らせることさえできる。


 私はマーガレットが神聖魔法を使えることを知っているので、この悲劇は回避できる。

 しかし神聖魔法を扱えなかったら元も子もないということで、この数年ずっと効率重視のレベル上げと神聖魔法の熟練度上げに取り組んできた。お陰で今ではレベルは20、熟練度はC程にはなった。ここはゲームのメニュー画面があって良かったと思っている。

 熟練度は下はEから上はSSSまでの8段階に分かれている。Cは下から3番目だが、低レベル帯にしては頑張った方だ。それにCになれば状態異常を治す状態回帰(リフレッシュ)や病気を治すことのできる快癒(キュア)を覚えることができる。この2つを覚えた日にすぐさま母の病気を治したので、今現在はこのままで良い。

 レベルに関してはこの辺りはレベル15程度のモンスターしかいないので、これ以上の成長は見込めない。もっと高いレベルのモンスターが出るエリアに行っても良いが、その場合はミレイユ(母親)を置いていかなければならない上にゲームスタートイベントに影響が及ぶ可能性がある。なのでこの方法はとれない。


 はあ…本当に詰んでる。


 「そう言えば、もうすぐ教会で魔力検査があるわね。マーガレットは何属性が使えるのかしら」

 「…え、もうそんな時期だっけ」


 ヤバい、やることが多すぎて忘れてた。

 

 もうすぐ、ゲームスタートだ!!

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