コノハナサクヤ
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こんにちは!キャライメージ作成しましたので参考までにどうぞ!↓↓↓↓↓
機転の矢が左胸に突き刺さった後、戦場である王城前から体ごと消失した俺は、どういう訳か見知らぬ部屋の冷たい石タイルの床に投げ出されていた。
不思議と胸に刺さった機転の矢は消えており、左胸の傷も見当たらない。
「どこだ・・・ここは?瞬間移動したのか?一体どういう事だ」
思わず出た俺の疑問に対し
「わかんないけど、機転の矢の効果なのは確かね。どこかに瞬間移動したとか?それともあの世とかだったら最悪」
「うぅ痛え。それはシャレにならねぇな。てゆうか、痛ててて!頑丈な力天使の俺にここまでダメージを与えるとは、ハニエルの力はとんでもねぇな。危うく死ぬところだったぜ」
どこからか夏川とジレンさんの声が聞こえる。
満身創痍で身体は自由に動かせないため、うつ伏せ状態のまま首だけ動かして周辺を見渡す。
部屋にはシーナと少女、ジレンさん、そして夏川が俺同様に床に転がっていた。どうやら皆大きな外傷もなく無事な様でひとまずホッとするが、ルルの姿が見当たらない。
「ルルは!?」
「ここにいるよ、亮太君。私も大丈夫!」
部屋の奥からルルの声が聞こえる。
「良かった、全員揃ってる・・・本当に・・よか・・た」
最大の危機を逃れて安心したせいか、身体に強烈な痛みが戻り、気を失いかける。
「涼太君!」 「仲立!」
ルルと夏川が俺の元に駆けつけ、夏川は自分の服を破き俺の止血にあたる。
ルルは泣きそうになりながらも回復魔法を俺にかけている。
「今のナイト君はかなり危険な状態よ。ルルちゃんのアクアヒールでは命をとりとめるのが精一杯。ルルちゃん、絶対に回復魔法を止めちゃダメ。そこのお嬢ちゃんは誰か助けを呼んできてくれるかしら」
「お嬢ちゃん!?あ、私か。ちょっと部屋の外を見てくるわ」
ウンディーネの指示に夏川が立ち上がり、部屋の奥にある扉から勢いよく外へ出ていった。
「ルル、すまない・・・。少しでも気を抜くと気を失ってしまいそうだ。もし、もしもこの後、俺が目を覚まさなかった時はシーナの事を頼む」
「何言ってるの!!絶対に死なせないから!私の全てを涼太君に注いででも絶対に助けるからそんな事言わないで!」
ルルが全魔力を投げ打って俺にアクアヒールを注ぐ。
だが、少しずつ身体の感覚が薄れ、自分の鼓動が弱くなるのを感じる。
意識を保つ気力が限界を迎え、朦朧としている意識の中、誰かが声を張り上げて部屋へ入ってくるのに気付く。
「夏川さん。彼はどこにいるの!?」
「この部屋よ、そこに倒れてるのが仲立。危険な状態なの!」
「もう生命力がギリギリね。このままじゃ危ないわ。瑠々ちゃん、私が代わるね」
「え、でも、ウンディーネは魔法を絶対止めるなって・・・」
「大丈夫よ。私の能力があれば今の彼の状態を安定させることが出来る。だから信じて」
「う、うん、分かった。どうかお願いします」
「ええ、何が何でも死なせないわ。乱散せよ、奥ゆかしき古都の八重桜。力を貸して木花咲耶姫」
その言葉の後、周囲を一時的な静寂が包むと同時に、薄い桜色のオーラが俺の身体を包んだ。
オーラが身体に降り注がれると共に、身体が不思議な感覚に包まれる。
痛みはあるが生命力が少しずつ回復し始める感覚。
目を開けると目の前には桜の花弁が幾つも散り落ちている。
どのくらいその光景を見ていたかは定かではないが、徐々に身体が動かせるようになってきた。
「これは一体」
骨折箇所などの痛みはあるが、身体が芯から癒されていくような感覚。
振り絞り限界を迎えた魔力や生命力が次第に回復していく。
試しに起き上がろうと上体を起こそうと試みる。
しかし、脇腹と背中、右手と両足へ強烈な痛みが走り、小さな悲鳴をあげて再び倒れる。
「ごめんね、今はまだじっとしてて。私が癒してるのは貴方の生命力と魔力だけ。傷自体は瑠々ちゃんに治して貰ってね」
その声はどこかで聞いた事のある声だった。
優しく、透き通る様なその声の主は、危うく死線を彷徨っていた俺を再び生へと繋ぎ止めてくれた。
その魔法はとても暖かく、まるで春の風を全身に浴びるような爽やかさで、そのあまりの心地良さに声の主の正体を確認することなく、そのまま目を閉じて眠りについてしまった。
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