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交渉の表側

モチベになりますので「いいね」「ブックマーク」「評価」の程よろしくお願いします(>人<;)

脱出後、裏路地の人気のない場所へ移動し、その先に見える王城を見据える。


「このまま王城へ向かいルルを奪還しよう。だがどうやって忍び込むかだ。エルメス、何か良い策はないか?」


ここは素直に計略の神の知恵に頼ろう。今やシーナのチョーカーに姿を変えたエルメスに相談する。


「まあ待つがよい。まずはあの娘、ルルとやらとコンタクトを取るのが先決じゃ。涼太、シーナの手に触れよ」


言われた通りにシーナの手を握る。シーナは手を握られる事に慣れてないのか少し照れながらも俺の手を握り返す。


「ペアリングを開始する。シーナ、意識を集中しあの娘の魔力を探ってみよ。今のお主なら出来るはずじゃ」


シーナは涼太と手を繋いだまま目を閉じ集中する。

目を閉じた暗闇の中、ルルの発していた魔力、オーラを辿るように探る。すると王城の方角にそれらしき懐かしい魔力を捉える事が出来た。


「多分これ、ルルさんだと思う。王城の中にいるよ!」


「ほう、でかしたぞ。では今から妾が伝達の神と言われる由縁、その特技を見せてやる。メッセンジャーリンク。いわゆるテレパシーじゃ」


エルメスが説明を終えると、俺とシーナ、そしてルルとの間で意識が繋がった。頭の中に意思疎通が可能な空間が出来た様な不思議な感覚だ。早速ルルに話しかけてみる。


「ルル、聞こえるか?」


「ルルさん!私です」


「え!?涼太くんとシーナちゃん?」


頭の中でルルの声が響く。本当に繋がったぞ。

エルメスもすごいが、慣れないながらもルルの魔力を探り当てたシーナにも素直に感心する。


「今エルメスとシーナの力で語りかけているんだ。あまり長く話し込んでいる余裕も無さそうなので簡潔に言うね。さっき俺達は天使達に殺されかけた」


「え!大丈夫なの?」


「ああ、もう倒したから大丈夫だ。それより俺達を始末しようと画策したのが、そこにいる真田優希だ」


「真田君が!?どうして?」


「真意は分からないが俺達が邪魔なんだろう。ルルは多分真田に気に入られてるっぽいから大丈夫だと思うよ。それより、そっちは今どんな感じ?」


「うん、私だけ別室に待機させられてて、希莎ちゃんと真田君はどこかに行ってしまったの。ただ、真田君から大事な話があるからここで待ってろと言われて」


「分かった。今からそっちに殴り込みに行く。それまで気を付けて」


「えぇ、殴り込み!?」


「もう天使達を倒しちゃったし、王族の真田に目を付けられてる以上もう無事では済まないと思う。それなら思いっきり抵抗してやろうと思ってね」


「うぅ。じゃあ私、希莎ちゃんに相談してみる!あの子なら助けてくれるかも」


「分かった、でも無理はしないで。俺達も出来るだけ穏便にそっちに行けるよう頑張ってみるよ」


「うん。2人とも絶対無理しないでね。約束だよ?」


「分かったよ」 「はい!分かりました!」


ここで通信を切る。


「ありがとうシーナ、エルメス。助かった」


エルメスにお礼を言うと


「また使いたい時は言うが良い。但し、これはシーナのよく知っている者としか通信出来ん。例えば、王城にいる長谷川との通信は不可能だ。よく見知る者以外の魔力の特定は難しい。そこまでの万能スキルでは無いということじゃ」


「仲間内で連絡がとれるだけで助かるよ。また頼む」


カテドラル奥の王城を見上げる。


「よし、じゃあ王城に向かおう。エルメス、出来るだけ人目につかず忍び込むにはどのルートがいいと思う?」


「そうじゃな。城の東門の横に妾がよく使う通用口がある。そこなら警備も手薄じゃ。ひとまずそこを目指すのが良い。案内しよう」


「頼んだ!」


俺は第1形態へ戻り、目立たない様に注意しつつルルを抱えて低空飛行で東門を目指した。



神聖王国 王城内 田中 瑠々の視点。


「瑠々、大丈夫?少しは落ち着いた?」


「あ、希莎ちゃん!うん、大丈夫。それより相談があるの」


王城の応接間で待機していたら、希莎ちゃんこと長谷川希莎ちゃんが来てくれた。


希莎ちゃんとは2年生から同じクラスで、何度か席が近くになり休み時間に話す間柄だ。

文化祭の時の演劇では、私の衣装を夜な夜な作ってくれた真面目で一生懸命な子。

そんな希莎ちゃんだから、きっと私の相談にも乗ってくれると考え話しを切り出した。


「さっき涼太君から連絡があったの。尋問の後にここの天使達に殺されかけたって」


「ええ!何故そんな酷いことを!?」


驚いた表情を隠せていないことから、この子がこの件に関与していないと確信する。


「真田君が命令したらしいの。涼太君達が邪魔らしくて」


「真田君が?なんでそんな酷い事したんだろ。ちょっと理由を聞いてくるね」


「あ、待って希莎ちゃん!それで涼太君達が今こっちに向かっているの。このままじゃクラスメイト同士で争う事になるかもしれなくて、私はそれを止めたい。出来れば一度話し合いの場を作るのを手伝って欲しいの」


希莎ちゃんは少し考えた後


「分かった。私も同じ学校の生徒同士で争うのは止めたい。私は真田君を説得してみるね。瑠々は仲立君を説得してくれる?連絡はとれるの?スマホの通話アプリ?」


なんとなくエルメスのテレパシーの件は伏せておいた方が良い気がしたので


「う、うん。あと2回通話出来るから連絡してみるね。ちゃんと話し合いで解決出来る様に説得してみる」


「じゃあそっちはお願いね。私は真田君の所に行ってくる!」


「希莎ちゃん、ありがとう。私も頑張ってみる」


そう告げると希莎ちゃんは頷き部屋を出ていった。

私から連絡をとる手段は1つしかない。スマホの異世界通話アプリだ。このクラスメイト同士の争いを止めるために今まさに使うべきと判断する。

ポケットからスマホを取り出し、スマホ画面にある目のアイコンを押す。仲立涼太の名前を押し耳に当てると、いつものコール音が聞こえる。8回目のコールで涼太君が出た。


「もしもし、瑠々?どうした、何かあったのか!?」


その声から通話先の涼太君のかなり慌てた様子が伺える。でもこの人の声を聞くと何故かとても安心する私がいる。


「あ、私は大丈夫だよ!どうしても話しておきたい事があって電話したの」


「話したい事?どうしたの?」


「うん。今さっき希莎ちゃんと話したの。クラスメイト同士で争う前に一度話し合いの場を作れたらって相談したら、真田君を説得してくれるって。だからさっき言ってた殴り込みは待って欲しいの」


「長谷川は信用出来るのか?真田とグルってことはない?」


「うん。この件を希莎ちゃんに話したらすごくビックリしてたから真田君の独断だと思う。真田君に事情を聞いて説得してみるって言ってくれたよ」


「そうか。確かにクラスメイト同士で争うのは避けるに越した事はない。長谷川が真田を説得する事を祈ろう。俺達はどこか身を隠せそうな所に潜んでおくよ」


「ありがとう。また何か分かったら連絡するね」


「ああ。俺達からも適時メッセンジャーリンク、あ、エルメスの能力なんだけど、さっきのテレパシーで連絡するよ」


「それだけど、どうしてエルメスさんが一緒にいるの?」


「シーナと契約したんだ。詳しくは後で話すけど心強い仲間が増えたよ。ああ、この事は真田達には内緒でお願い」


「えええ、シーナちゃんすご!とりあえず分かった。じゃあ切るね」


通話を切り、アプリアイコンを確認するとさっきまで3と記されていた数字が2に減っている。これで私から通話出来る回数は残り2回。いざという時に備えて大事に使わないと。


それから少しして希莎ちゃんが真田君を連れて部屋に戻ってきた。


「ごめん瑠々、真田君と話してて遅くなっちゃった」


「ううん、話してくれてありがとう。私も涼太君と話したよ。話し合いしてくれるって」


希莎ちゃんの後ろにいた真田君が前に出る。


「瑠々さん、色々とありがとう。こっちもキサと話した結果、仲立と話し合う事にしたよ。やっぱりクラスメイト同士で力を合わせるべきだと思ってね」


「そう、良かった!じゃあ早速涼太君に連絡するね」


「ああ、ちょっと待ってくれ。こっちも話し合いする前に瑠々さんに確認したい事があるんだ」


「ごめんね瑠々。私達、まだ仲立君のことが完全に信用出来なくて。だって前にあんな事件を起こしている人だし」


2人共涼太君を警戒している様で、幾つか質問したいと言ってきた。涼太君に対しての誤解も解きたいので


「私の知ってることなら答えるね」


2人の要求に答えることにする。

まず真田君が私に尋ねてきた。内容は涼太君の契約悪魔の事、一緒にいるシーナちゃんの事、涼太君の普段の振る舞い、性格の事。私からは盗撮事件の冤罪疑惑について話した。

彼らが不利にならない様に精一杯印象良く答えてみた。

最後に真田君が


「ところでさっきから、涼太君って呼んでるけど、君達はそんなに仲が良かったんだっけ?」


「それ!私も思ってたの!いつの間にそんなに仲良くなってたの?」


2人が興味津々で聞いてくる。


「えっと、私がこっちに来てから色々助けてもらって。なんかいつの間にか仲良くなって。あ、でも違うよ!違うっていうかなんていうか、その」


どうしよう、自分で言ってて顔が熱くなってきた。

2人に私の気持ちバレちゃったかな。すると希莎ちゃんが


「瑠々、こういう時本当に分かりやすいよね」


と言って笑う。真田君も


「これまでの話を聞いて仲立が良い方向に変わったって事が分かったよ。ありがとう瑠々さん。すっかり仲立に夢中になっちゃったみたいだね」


と冷やかし半分でにこやかに返してくれた。

私の涼太君への想いがバレちゃったのは恥ずかしいけど、これで両者の話し合いが上手くならこれくらいは我慢しよう。


「じゃあ善は急げだ。仲立に連絡して貰える?」


「え?あ、あぁそうだよね。じゃあ電話してみるね」


本当は次のメッセンジャーリンクまで待ちたい所だけど、それは2人には話せない為、仕方なく通話機能を使うことにした。

3度のコール後、涼太君が通話に出た。


「もしもし、瑠々?どうした!?何があった!」


まさか再度私から、貴重な通話回数を減らす電話が来るとは思わない涼太君は電話先でかなり慌てている。


「あ、うん。何度も驚かせてごめんね。今真田君と希莎ちゃんと一緒にいてね、集まって話し合いをしようってことになったの」


「そっか、分かった。連絡ありがとう。じゃあ俺達はこれからどうしたらいい?」


涼太君から問われた所で真田君が私に近づき


「ちょっと変わってくれるかな?」


と、私からスマホを取り上げ涼太君との通話を始める。

残念ながら涼太君の声までは聞き取れない。


「やぁ仲立。無事だったみたいだね」


「※※※※※※※」


「その件は済まなかった。あの時は悪魔と契約した君に危険性を感じたんだ。この通り謝るよ、ごめん」


「※※※※※※※」


「そうだね、一度話し合おう。この城の正門をくぐった所に広場がある。そこで落ち合おう」


「※※※※※※※」


「もちろんだよ。これは僕達クラスメイトの問題だからね。全員で向かうよ」


「※※※※※※※※※」


「ああ、その心配ないよ。何かあれば僕が守り抜くよ」


「※※※※※※」


「もちろんさ。客人は丁重に扱うつもりだ。」


「※※※※※※※※※」


「約束するよ。じゃあこれから俺達も向かうよ。また後ほど」


そう話し終えると真田君は通話を切る。

そして私にスマホを返さずにそのまま自分のポケットに入れた。


「真田君、私のスマホ返してくれないの?」


「ああ、一応俺達も警戒しなきゃいけないからこれは預からせてもらうよ。大丈夫、無事合流出来たらちゃんと返すよ」


私の通話可能回数は残り1回。最後の1回は余程の事がない限り使わないつもりだが、真田君がとったその行動に、私は一抹の不安を感じたのだった。

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