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力天使

モチベになりますので、面白いと感じて頂けましたら「いいね」「ブックマーク」「評価」の程、よろしくお願いします(>人<;)

「そこの貴様、何者だ。このベフデトの上空を無許可で飛び回るとは、重罪に値するぞ!」


え?そうなの。飛行に許可が必要とか言われてないし、初耳すぎて何も返すことが出来ない。


「見たところ人攫いか。その2人を放し今すぐ投降しろ。場合によっては命だけは助けてやる」


どうやらとんでもない勘違いをされているみたいだ。

変態といい人攫いといい、みんな俺の事を何だと思ってるんだ。とりあえず2人を抱えては抵抗も何も出来ない為、地上に降りる。


「2人共、俺に合わせてね」


抱えていた手を離す時に2人へ耳打ちする。とりあえず両手を上げ、無抵抗をアピールすると、4人のうちの1人が近寄ってきた。その男は俺の姿を見て


「ん?貴様、天使か?それにしてはその髪」


俺のなんちゃって天使に違和感を感じているのか、首を傾げているので、咄嗟の作り話でこの場を乗り越えられるか試みる。


「待ってください!私は国王様からの司令でこちらのお2人をお連れしている最中なのです!」


相手側の人数は4人。ダメなら戦って押し切るしかないと思っていると、もう1人の大柄な男がこちらに近づいてきた。

立派なヒゲ、鷲の様な大きな翼を畳み、手には大剣を握っている。


「国王様の司令だと?何か証拠になるものは持っているのか?」


「いえ、先程お2人を悪党から守る途中で、大事な書状を失ってしまいました。この罪は然るべき時が来たらきっちりと受けるつもりです!ですがっ、今はこのお2人を無事ベリルヘムへお届けするのが先決かと!」


一か八か、オーバー気味に大嘘をつく。

ヒゲ男は自慢であろう顎ヒゲを擦りながら


「本当かどうか怪しいな。貴様に司令を出した方は誰だ?」


「はい、国王直轄部隊長のジェイド様でごさいます!ジェイド様のご気性から、早く戻らねば逆鱗に触れるどころか、皆様にもご迷惑をおかけするかもしれません!」


突然ジェイドの名前を出したので、シーナが驚いて俺の顔を見上げる。


「ジェ、ジェイド様だとっ!大物じゃねーか!その2人は一体どこの誰なんだ!?」


「はい!こちらの美しいお方、ルル様は国王様ご贔屓の女性です。こちらのお子様は・・・ジェ、ジェイド様の・・その・・・か、隠し子です!そう、隠し子のシーナ様!」


何故か両脇から2人の圧を物凄く感じるが、気付かないフリをしておく。


「とんでもねぇ事を聞いてしまった。あのジェイド様に隠し子がいたなんて。そりゃ2人共傷つける訳にはいかねぇ。丁重にお守りしろ、おめぇら」


「へい!承知しやした!」


なんで江戸前口調なのかは気になるところだが、とりあえずこの場は騙せた様だ。


「ちなみに私は涼太と申します。では私達は先を急ぎますので、このまま行かせて頂きます。お嬢様方、行きましょう」


2人を抱え飛び立とうとすると、ヒゲが止める。


「おいおい、待て待て!この時間は危険だぞ!明日ではダメなのか?」


「急ぎ王都へ戻れと言われてます故」


「むぅ。仕方ない。幸いここからベリルヘムへは飛ばせば半日程で着くはず」


お、意外と近い!2、3日かかると思ってた。


「我らも同行しよう!なーに、我らとてお主らを守るだけの力はある。大船に乗ったつもりでいてくれい!ダッハッハッハ」


まさかの望んでもいないお節介援軍登場に動揺しつつ


「い、いや。大丈夫ですよ!俺こう見えて結構強いですし!ほら、皆さんにも悪いし!」


「若いのに遠慮するでないわ、涼太!任せておけ。ワシの名はジレンだ。一応これでも力天使(パワー)だ!」


ジレンと名乗るこの大柄の男が俺の背中をバンバンと叩く。

ここで全力で断っても逆に怪しまれるかもしれないので仕方なく同行することにした。どこかで隙を見て巻くしかないか。


「では早速行くぞ。野郎ども、嬢ちゃん達に埃ひとつ近付けんじゃねーぞ!」


「へいボス!」「お任せあれボス!」「了解ボス!」


この3人も天使なのだろうか。皆同じ古代ローマ人の様な服を着ている。3人のうち1人が俺達に向かって


「宜しくなお前達!俺達も天使(エンジェル)だ。ルル様とシーナ様は天使(エンジェル)の誇りにかけても守ってやるぜ!」


「あぁ、よろしくお願いします」


なんかこの人達は良い人そうだなと考えていると、ルシアが釘を刺してきた。


「気をつけて下さいマスター。この者達にとって私達の正体は紛れもなく宿敵です」


そう言えばそうだった。俺やシーナの正体(アクマ)を知ったら、無条件で敵に回るだろう。同行中は深く関わりすぎない様に注意しよう。

それから俺はルルとシーナの2人を抱え飛び、その周りを4人の天使が護衛する隊形でベリルヘムを目指した。

途中休憩を入れながら進み、休憩中に食料を分けてくれるなど、かなり気を遣ってくれたのは非常に助かった。飛行中、小声でルルが


「ねぇ、涼太くん。そういえばなんで私が王様の贔屓な女性なの?」


ルルがジト目で睨んでくる。この子はよくジト目するな。


「わ、私もです!か、隠し子なんて嫌です」


シーナも不満そうにほっぺを膨らませる。


「ごめん2人とも。咄嗟にいいのが思いつかなくて。でもほら!お陰で戦わずに済んだじゃん!」


結果オーライと笑って誤魔化してたら更に2人に睨まれた。

二度目の休憩後、飛行中に2体の悪魔に遭遇する。神の国にも野良悪魔が存在することに驚いた。


「サキュバス2体だな。よし、俺達に任せろ。涼太達は後ろに下がってな!」


「サキュバス!?」


その響きにほんのちょっとだけ興味津々で後ろから覗くと、セクシーな黒のボディスーツに身を包んだ、コウモリの様な羽を羽ばたかせる妖艶な若い女性の悪魔だった。ずっと見てたらルルにまたもやジト目で睨まれた。


「ゴンタとギンタはそっちの1体を頼む。俺とブンタはこっちの1体をやる」


それに対しサキュバスが


「あら、エンジェルじゃない。ちょうどお腹が空いてたのよね。そっちの人間の男の前につまみ食いしちゃおうかしら」


「アハハ、そうね」


人の言葉を話している。


「今流暢に喋ったぞ、悪魔でも人の言葉を喋るのか」


その疑問に対しルシアが脳内で


「悪魔も天使も知能の高い個体は言葉を喋ります。サキュバスの知能はかなり高い方です」


なるほど。確かに今まで戦った悪魔もカタコトだけど喋ってた気がする。

それから俺達3人は後方に下がり戦闘から距離を置いた。

再びルルから小声で


「涼太君、この後どうするの?あの人達、ベリルヘムまで付いて来そうだよ」


「そうですね。私や涼太さんの事がバレたら襲ってきそうです」


おぉ、初めてシーナに名前を呼ばれた。なんか悪い気はしない。


「そうだね。でも今逃げて追いかけられても厄介だし。とりあえずベリルヘムまで同行して、時を見て逃げ出そう」


ひとまず目の前の敵から二人を守ることに集中しよう。

天使達とサキュバスとの戦闘を確認すると最初よりも熾烈さを増していた。


「くらいなさい!ヘルフレア!」


「うおっと危ねぇな!おらよ!」


サキュバスの魔法をかわし、ジレンさんが大剣を振り抜き、それをサキュバスがかわす。剣を持つ4人に対し、距離を保ち魔法攻撃主体のサキュバス達に苦戦している様子だった。


「仕方ないわね。あんた達みたいのは好みじゃなけれど、とっておきの技を魅せてあげるわ」


サキュバスは、エンジェル4人組に対して魅力(チャーム)の魔法をかける。近距離でモロにくらったエンジェル達は物の見事に魅了され、サキュバスの元へフラフラと近づいて行った。

このままでは4人が危ないと判断し、飛び出そうとした時


「だらしのない奴らだ!フンッ」


フラフラと近付いていたジレンさんは、突然動きの鋭さが増し、大剣を横一線に振り抜く。

その一撃で並んでいたサキュバス2体をまとめて切り裂いた。サキュバス達は黒い煙になり消失した。


「あんな魔法、力天使(パワー)のこの俺に効くわけがなかろう。オイ、野郎ども!起きやがれ!」


そう言って天使3人の頭を叩くと、3人は正気に戻りキョロキョロしている。俺は4人に近付き、お辞儀をしながらお礼を言う。


「守ってくれてありがとうございます。助かりました」


「お、良いってことよ。こんなやつら朝飯前だ、ダハハ」


ジレンさんは大剣をタオルで拭きながら笑う。


「いつもああやって悪魔退治を?」


「ああ、パトロールがてらだがな!でも、むやみやたらに殺したりはしてねーぞ」


その言葉に驚いた。


「悪魔なのに殺さないんですか?」


ジレンさんは剣を鞘にしまい俺の目を見て言う。


「ああ、種族が違うだけで殺すのは殺人鬼のやることだと思ってる。もちろんさっきみたいに向こうから危害を加えてくる悪党には容赦はしねぇ」


良い話を聞けた。この人は他の天使達とは違うのか。

それともこの国の神、天使においても悪魔への敵対心には差があるのか。

もしかしたらこの人に俺達の事情を話せば、見逃してくれるのではないかと考えていると


「でもまぁ、俺達はこの国の天使だからな。国内で悪魔を見つけたら殺しはしねぇが捕まえなきゃならねぇ」


口に出そうとした言葉を飲み込んだ。危なかった。

ただ、どうしても1つだけ聞きたいことがあり、ジレンさんに問う。


「ジレンさんは、全ての悪魔が悪だと思いますか?」


ジレンさんは少し悩んだ後に口を開く。


「思わねえよ。だがこの国にいる以上、それは公には絶対肯定しちゃいけねぇ。それが俺達天使だ」


どこか決意の籠った目で、自分へ宣言する様に語っていた。

それから俺達一行は先を進む。

出発から14時間程経過したところで、真っ白で大きな都市、王都ベリルヘムが見えてきた。

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