夢の中で
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「涼太く・・・おきて!ねぇ・・・ディー・・・けてお・・・い!」
朦朧とした意識の中、ルルの叫び声が聞こえるが、立ち上がる気力もエネルギーも沸いてこない。このままそっと目を閉じ深い眠りにつこう。
「まったく。無理して全魔力を使わなくたって倒せたはずですよ。あのバフ効果のおかげで攻撃力は数倍に膨れあがってました。全力じゃなくても勝てましたよ」
夢の中でルシアが説教してくる。
「俺、このまま死ぬのか?」
「単なる魔力切れですよ。簡単に言うとHP0の状態です」
「いやそれ死んでるじゃん!この後どーなんの俺?」
「この状態で無理して更に魔力を使用すると死にますね。生命力をガリガリ削ることになります」
「じゃあ大人しくしとけば死なないってことね。よし寝よう」
「それがいいかと。後のことは2人に任せましょう。一応2人とも契約者なんですから」
2人?ああ、柳澤か。あいつ、あんな凄い能力あるならもっと早く来てくれれば良かったのに!って助けてくれたから許してやることにする。でも2人とも大丈夫かな。
まさかあの後もしつこく高村が起き上がって2人を・・・。
やばい起きなければ!こうしちゃおられん!
バシッ!
「いいから大人しく寝ててくださいマスター」
夢の中なのに後ろからルシアに叩かれた。そんな殴ることないじゃん!って、あれ?ルシアが叩く!?
驚いて振り向くとそこには
「はじめましてマスター。お会いするのは始めてですね。改めましてルシアです」
美しい金髪のボブカット、頭には黒と白のレースのカチューシャを付けており、クリっとした青い目に、身長は中背、白に水色のラインが入った未来的なワンピースを着ている美少女が立っている。
夢の中とはいえ、突然の美少女出現にキョドってしまう。
「え、うぇ!?ル、ルルルシア?」
「そうです。あまりの美少女っぷりに虜になりましたか?まぁマスター、いやりょーたは可愛い女の子大好きですもんね。前は私のこと男って言いましたけど!」
ああ、やっぱこいつルシアだ。まだあの時のことを根に持ってやがる。
「いや、正直もっとちんちくりんの想像してたからね。予想と違ってびっくりしただけだよ」
「私は夢の中でもデリカシーが無いりょーたにびっくりです」
ルシアが残念そうに項垂れる。
「んで、夢の中にまで現れるってことは何か伝えたい事でもあるのか?」
「そうですとも言えますが、ただ単に魔力切れをからかいに来たってのもあります」
「お前性格悪いぞ」
「冗談です。ただ1つ伝えたいことがありまして」
ルシアが目を閉じながら続きける。
「今日倒した高村薫が最後に使った侵食についてです」
「ああ、あれか。あれなんなんだ?途中から人ですら無くなってたけど」
「あれはシヴァ神に身体を捧げ、シヴァ様本来の力全てを手に入れようとした結果です。侵食とは、身体の全てを契約相手に侵食させ、完全に一体化することです」
「やばいなそれ。でもその後の高村自体はどうなるんだ?」
「もちろん人間に戻ることはありません。肉体はシヴァ様の主導権となり、逆に高村 薫が精神体となります。私とりょーたが逆転する、と言えば分かりやすいでしょうか」
「確かに分かりやすいな。でもどうやってそんな事出来たんだ?それを分かってたら普通自分からやらないだろ」
「相当負けたくなかったのだと思います。力を欲するあまり、シヴァ神からの侵食の問いかけにYESと答えた結果ですね」
あいつもあの時かなり追い詰められてたんだな。ここでふと疑問がよぎる。
「俺も出来るのか?」
「はい。りょーたが主ルーシェを求めれば可能です。但し、高村薫同様に、りょーたは仲立涼太では無くなります。その覚悟があるのなら完全侵食は可能ですが、最後の手段であることは間違いないですね」
「ふむ。俺自身じゃなくなるのは嫌だな。高村は今どうしてるんだ?」
「侵食の途中でしたからギリギリ間に合ったのではないかと思われます。ただ精神的にも肉体的にもタダでは済まないでしょうね」
「ちょっと可哀想だけど自業自得だな。ひとまず体を失うよりマシだろ」
あの青くなった体は元に戻るのだろうか。
「情報をありがとうルシア。知らなかったらこの先危うく身体を乗っ取られてるかもしれなかった」
「いいえ、お役に立てて良かったです」
「たまに夢の中に出てきてくれよ。こうやって面と向かって情報交換出来るなら大歓迎だ」
「え、いいんですか!?」
ルシアが驚きの表情で聞き返す。
「もちろんいいよ。お前いいヤツそうだし。なんか気楽に話せるし。ちんちくりんとか言ってごめんな、想像以上に素敵な姿でびっくりしたんだ」
「な、なんですかいきなり」
「いや気を遣わなくていいよってこと。どうせ起きてる時は声だけなんだ。寝てる時くらいは顔を合わせるのもいいかなって。俺も嬉しいからいつでも遊びに来てくれよ」
「・・・」
「ん?どうしたルシア」
「はぁ、そうやってルルも・・・。本当にりょーたはダメダメですね」
「なっ、失礼なやつだな」
そしてそのまま意識が遠のき、深い眠りについた。
その頃、担ぎ込まれた涼太が眠る部屋には田中 瑠々と柳澤 瞳が、隣の部屋には瀕死の高村薫が担ぎ込まれ、インドラ国回復医療班の治療を受けていた。
「え、瞳ちゃん本気なの!?」
「ええ、インドラ国内にある宝玉とやらを探し出すわ。あなた達2人もその宝玉を集めているんでしょう?」
「うん多分。実は私はあんまりよく分からないの。でも涼太くんが探すのならそのお手伝いをするつもり。高村くんはどうするつもりなの?」
「高村はその宝玉の在り処を知ってる唯一の手がかり。そのために傷が癒えたらラーヴァナに連れ帰るわ。もちろん彼の腕輪は没収するつもり。また今回みたいに暴走されちゃ困るし。まぁ、あいつもかなり懲りたと思うけど」
「瞳ちゃん強いね。私とは大違いだ」
「この馬鹿げた世界の争い事にうんざりしてるだけよ。それに巻き込まれて困るのはいつも普通の人達だわ。それが許せないだけ。だから私はあなた達に賭けるわ。インドラ国の宝玉を見つけだしてあなた達に渡すわ」
「分かった。涼太くんに伝えとく。瞳ちゃん無理しないでね」
「実は例の事件もあるし、まだ仲立君をあまり信用してないの。でも瑠々がいるなら大丈夫かなって。それより、2人とも随分仲良くなったのね。涼太くんって」
「え、あーうん。色々あってね。色々お世話になって。それとね」
それから田中瑠々は仲立涼太の盗撮冤罪について柳澤に話した。それを聞いた柳澤は半信半疑ではあったものの
「でもその話が仮に本当なら、彼が本当の被害者じゃない。真相を確かめる時は私も力になるわ」
と言ってくれたらしい。2人はその後も、この世界に来てからの情報交換や身の上話を続けた。
その翌日、柳澤はインドラ軍と傷の癒えた高村を連れて首都ラーヴァナへ戻っていった。
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