監禁初体験
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大勢の男達に取り押さえられた後、すぐに身ぐるみを剥がされた。ナイフ、カバンはもちろん、ネックレス、すなわちルシアまで没収された。
連行されアゼリアンの警察署の様な建物の門をくぐる。
エントランスを抜け、すぐに地下の牢屋に入れられた。
「おい、やめろ!あいつ、高村の言ってることはデタラメだ!信じてくれ」
「すまんね兄ちゃん。シヴァ様の仰ることはこの国では絶対なんだ。個人的な恨みは無いが、お達しが出るまでそこで大人しくしておくれ」
「ふざけんな!こんな理不尽なことあってたまるか。何が神だ!ただの最低な人間じゃねーか!」
「そうだな。でもすまん」
何も権限がないのか、看守役の男はその後、こちらが何を言っても黙りこんでしまった。さてこの状況をどう打開する。
ルシアも没収され、今の俺にはこの鉄格子を破る力はなく、ただこの場でうずくまっているしかないのか。
考えを巡らせていると、1人の男が慌てて階段を降りてきた。
「大変だ!シヴァ様とカオル様が今日この街に滞在することになったぞ。広場の高級宿に宿泊するらしい!あと、明日の朝だが、この男の公開処刑が決まったぞ」
とんでもない事になった。焦りで鼓動がスピードを増していく。せめてルシアが手元にいれば抵抗のチャンスはあるのだが。
「なぁ!おれのネックレスだけでも返してくれないか!あれは母の肩身なんだ」
同情作戦でルシアを取り返せないか足掻いてみる。
「残念だが、兄ちゃんの所持品は全てカオル様の部下の兵士が持っていってしまったんだ。すまねえな」
この状況、詰んだのか。残りの可能性は、この人達に逃がしてもらうしかないが、何度懇願しても暖簾に腕押しだった。
その頃、シヴァ神と契約し、ルルを手中に収めた高村 薫は最高潮に驕っていた。今はアゼリアンの最高級宿の一室で休息をとっている。
「おい瑠々、よく俺のところに来てくれたな。歓迎するぞ!」
「私がここに来たのは瞳ちゃんが心配だからだよ。高村君のためじゃないから」
椅子に座らされたルルは、前に立つ高村の顔を見もせずに吐き捨てる。
「そう言うなよ。お前はもう俺の女だ。仲良くやろうぜ」
「絶っっっっ対いや!!ほんとキモいし、瑠々って気安く呼ばないで!」
「そんなに嫌わなくてもいいだろ?お前と桐谷、いや透華には優しくしてやるぜ。なんせ俺の正妻になる女達だからな」
そう言ってルルの髪の毛に触ろうとする。
「ほんとにやめて。最高に気持ち悪い」
ルルはすかさずかわし、高村へ睨みを効かせる。
「あぁ?てめー誰に言ってんだコラ。上等だ。おい!こいつを俺の部屋に連れてって柱にでも縛りつけておけ!」
高村は周りの兵士に命じる。直後ルルは数人の男に拘束された。
「瑠々、どんだけ嫌がってもてめえにはもう何も出来ねぇんだよ。お前と一緒にいた盗撮野郎も明日には公開処刑だ。せいぜい今晩、俺を楽しませることだけ考えとけよ」
楽しみが1つ増えたぜ、と高村は高笑いしている。
涼太君が処刑!?その言葉に驚いた田中瑠々は
「ねぇ、涼太君には手を出さないで!あの人は関係ないじゃん!」
「へぇ。じゃあせいぜい今日の夜は頑張れよ。お前の奉仕次第では半殺しで許してやるよ。ぶっハハハ」
そしてルルは兵士達に連行され、高村 薫の部屋に監禁された。
視点は同時刻の仲立 涼太に戻る。
牢屋で拘束されてから、どの位の時間が経過しただろうか。
鉄格子の中、何も出来ずにただ蹲っていることしか出来ない。
あの時躊躇せずにすぐルシアと融合しておけば。
取り返しのつかない後悔に身を焦がしながら、ただ床を見つめる。
連れ去られたルルも心配だ。高村のあの下卑た顔。絶対にルルに何がするつもりだ。考えただけで身が焼かれそうになる。
「おい、誰か!誰か俺をここから出してくれ!このままじゃ何もかもあいつに、高村に壊される!」
大声で叫ぶも誰も反応することはなく虚しく響くだけ。
悔しく、やり切れない気持ちに項垂れていると、カツカツと誰かが階段を降りてくる音が室内に響く。
「い、いけませんっ!この先は誰も通すなとカオル様が」
「黙って。私も神との契約者よ。今すぐ私に鍵を渡して、そこをどきなさい」
そのやりとりの後、再び足音が近づいてきた。
やって来たのは柳澤瞳。高村と一緒にいたクラスメイトの1人だ。
「おい、柳澤!ルルはどうした!こんな酷いことしやがって!絶対許さねーからな!」
「瑠々は高村と一緒にいるわ。あいつ最低だけど瑠々のことは気に入ってるから殺しはしないわ。それより」
柳澤は俺を睨みながら続ける。
「私が高村を止めるわ。あいつ、シヴァの力で全てを自分のモノにするつもりなの。きっと神聖王国に攻め込んで多くの人を殺すつもりよ。そんなの絶対許していい訳がない!」
柳澤は高村の完全な味方ではないらしい。語る目には堪えきれない程の怒りが見受けられる。
「俺をここから出せ!俺が止める」
「貴方に何が出来るの。さっきも見たと思うけど、高村の力は本物よ。あなたじゃ勝ち目がない。それに」
柳澤は再度俺を見なおし
「私の中では貴方も最低なのは変わらない。盗撮魔の言葉は信用出来ない」
と言い放った。
「ここに来たのは、明日貴方に公開処刑の予定があるから。幾ら最低なヤツでも、クラスメイトが死ぬのは見てられないわ。だからせめてもの情けで逃がしてあげる」
「柳澤、お前・・・」
「見つからないようにこの後すぐ逃げなさい。瑠々のことは私に任せて。命に変えても高村は私が止めるわ」
そう言って、牢屋の鍵を外し扉を開ける。
「早く逃げて。すぐにここインドラから出なさい」
「待て。協力出来るかもしれない。奪われたアクセサリーさえ取り戻せれば俺も戦える」
「協力はしないわ。もう男の人はうんざりなの。これ以上言うなら、もう一度ここに入ってもらうわ」
だめだ。どうやら相当高村にひどく扱われたのか、完全に他人を信じられなくなっている。これはもう別々に行動するしかないと判断する。
「柳澤ありがとう。恩に着るよ」
「別にいいわ。死なないでね」
柳澤の助力でなんとか外に出ることは出来たが、この後が問題だ。当然1人で逃げる選択肢を選ぶつもりはない。
高村の野郎は絶対に許すつもりはないし、俺の手で確実に潰す。だが、今の俺では高村を止めるどころか、返り討ちにあうのがオチだ。せめて武器の1つでもあればだが。
既に空は暗くなり始めていた。
このまま夜の闇に紛れて、まずはルシアを奪還しにいくしかない。奪還した後に高村と決闘だ。
民家の外壁に寄りかっているスコップを拝借する。
戻ったら返しますと心の中で呟き肩に担ぐ。
さっき牢屋にいた男曰く、アイツらの宿泊先は「広場の高級な宿」と言っていた。俺は拝借したスコップを担ぎ、広場へと向かった。
「多分、あれかな」
広場に到着した俺は、明らかに他とは違う立派な建物を物陰から見上げる。玄関前には大きな馬車が停車し、多くの兵士達が等間隔に警護している様子が伺える。
せめて中に忍び込むことが出来ればいいが、警備の数が多く忍び込める余地がなさそうだ。
何も良策が思い浮かばずに物陰から様子を伺っているうちに、辺りはすっかり暗くなっていた。
「おい!そこのお前!」
突然後ろから何者かに声を掛けられた。
やばい、見つかったか!と、後ろを振り返ると鎧を着た兵士が、腰に携えた剣を抜き腰を低く構えていた。
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