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合宿前日

 10月と11月は打撃練習がメインだった。昨年同様、基本的にはバッティングゲージを2箇所設置して、打つ人、投げる人を交代しながら打ち続ける、ということを主に行なった。重点成長能力は打撃に変更していた。


○練習メニュー割合


山田監督グループ(野手12人)


・打撃練習7割

・バント練習1割

・走塁練習1割

・守備練習1割



二宮コーチグループ(投手3名)


・投手練習7割

・バント練習1割

・走塁練習1割

・守備練習1割



 12月は守備練習がメインだった。重点成長能力は守備に変更され、ノックの量もかなり増えたが、基本的なゴロの捕球や足運びの確認などの基本も徹底的に鍛えられた。


○練習メニュー割合

 

山田監督グループ(野手12人)


・守備練習7割

・バント練習1割

・打撃習1割

・走塁練習1割



二宮コーチグループ(投手3名)


・投手練習7割

・バント練習1割

・走塁練習1割

・守備練習1割






『今年も12月中に決めなきゃいけないことがある』 


『そういえば、もうそんな時期でしたか』


 あるの日の練習中に山田監督の方から話しかけてきた。基本的には俺が神様からのメールの内容を伝えるために話しかけているが、今日は昨年同様山田監督から話しかけてきたのだった。


『分かっていると思うが推薦の件での相談だ。野球部にはありがたいことに今年は推薦枠が3つあるんだが、それを誰にするかを決めたい。出願は1月から始まるから、今月中に希望を決めておこう』


『そうですね……。今チームに足りないのは、セカンドと外野手ですけど……。俺たち今の2年生の代が引退して、新チームになった後のことも考えなきゃいけないんですよね……』


 例えば外野手は現在1年生3人がスタメンで出ている。そこにまた新しく力のある下級生を入れるのは、あまり得策ではなかった。


『んー、バッテリーが欲しいですね。それと星形がセカンドとショートが出来るので、星形と二遊間を組める人が来てくれると助かりますね』


 バッテリーは恐らく夏の戦力にはならないだろう。だか、新チームを考えると必ず必要になってくる人材だった。もう一人のセカンドの人材は、星形のおかげでショートの選手でも問題ない。器用な星形のおかげで選択肢が広がるのでありがたいことだった。


『その案で俺もいいと思う。じゃあ俺の方から各方面に連絡をしておくよ。今年は秋に県大会出場しているから、昨年よりもたくさん選手の選択肢が増えるだろう。結果は2月には伝えられると思うから、楽しみに待っていてくれ』


 もうすぐ星形や岩井にも後輩が出来るのか。あいつらがちゃんと先輩を出来るか少し不安だな………。








 今日で授業日が終わり、明日から冬休みが始まるという12月の終盤。いつもより少し早めに練習が終わり、俺たちはベンチ前に集められた。


「えー、明日から冬休みが始まる。今年は曜日の関係で24日土曜日からだな。今日はいつもより早く終わり、明日も全体練習は半日だけにする。キャプテン、それはなぜだか分かっているよな」


「はい。明後日25日から29日までの4泊5日で、学校で合宿を行うからです」


「そうだ。そのためにはいろいろと準備が必要な家庭もあるだろう。そういう配慮から早めに終わるんだ。決して自由に練習させるためではない。よって、今日と明日は室内練習場は使用禁止だ!その分の体力は合宿がしっかりと行えるようにするために使うこと。お前らが全員帰るまで、俺は監督室に残るからな。最後に帰るやつは戸締まりした後、監督室に報告に来るように。以上、解散」


 最近で1番長いセリフだった。前回コーチとマネージャーが見ているという作戦をとったが、他の部員がアピールしたくて残ってしまうというなんとも言えない結果だったので、今回最終手段に出たようだった。


 俺に話を振ったのは、俺が責任をもって全員を帰らせろ、と言いたいのだろう。俺は残って練習したかったのに、勘弁してほしい………。


 こうなったのは10月に神様から送られてきたメールが原因だった。






10月1日の夜


「今日も走りすぎて脚がパンパンだよ……。すぐに寝たいけど、神様にメールしないと」


 俺は指導力が4になった報酬として、『合宿の開催』を希望することをメールに書いて送信した。


 送信後1分も経たず、返信が届いた。俺は中身を開いて確認した。





『神様            2022/10/01

 宛先:baseball.8989@anu.ne.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 承りました。

 指導力4の報酬の件は、『合宿の開催』で確かに承りました。使用方法について説明いたします。

 

『合宿の開催』


 短期間で効果的な練習が可能です。使い方は、生徒に合宿することを通知すれば、指定した5日間の練習効果が飛躍的にアップします。

 その際、朝早くから夜遅くまで練習出来るようにするために宿泊施設を使うことをオススメします。

 現在使用可能な練習施設は学校の合宿用宿泊施設のみです。今後、使用可能な宿泊施設が開放される場合があります。

 部員たちにはかなり負荷がかかります。前日の練習は、授業日なら休み、休日なら半日練習にしましょう。合宿終了後は1日は練習を休みにするようにしましょう。

 もし、適切な休みを取らなかった場合、部員が大きなケガをすることがあります。くれぐれも注意してください。自主トレも、やめさせましょう(軽く走る程度なら可)。

 年に2回開催可能です。ぜひ、有効にご活用ください。





「これは………すごいな。使い方によってはかなり大当たりじゃないか?」


 翌日、すぐに山田監督に伝え、合宿の開催が決まったのだった。前後に休みを入れる関係上、年末年始の休みを上手く活用できるようにこの日程になったのだった。








 そして全員がしっかりと準備を終え、第一回地獄の冬合宿が幕をあけるのだった……。


次回、初の冬イベント開催です(思ってたんと違う)!

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