プロローグ
小高い丘の上に立つ白い洋館のある一室にて__
「ばあや、なにかおもしろいおはなしをして?」
はい。では昔のお話をいたしましょう。とても有名なお話ですよ__
“昔々
この世界には沢山の『悪』が溢れていました
人々は町の中に篭って悪が通り過ぎるのを待ちました
勇敢な人達は、『冒険者』となって町を守るために戦いました
しかし、戦えども待とうども『悪』は増えていくばかりでした
町も国も寂れていきました。その度に人々は国の中心を見て嘆きました
国が崩壊しそうになっても、王様や権力を持つ者は国の真ん中で裕福な暮らしをしていました”
「むかしのおうさまはわるいひとだったの?」
そうですよ。でも今はとても優しい王様が国を治めているでしょう?
“そんな王様は、いつも金の玉座に座っていました。金の冠をして、金の食器を使って、豪華なご飯を食べていました
王様は、国の事には無関心でした。人々が飢えても『悪』が襲ってきても王様は見向きもしませんでした”
「ひどいおうさま!」
ええ。けれどここで『悪』を無くし王様を倒す英雄が現れるのですよ
「ききたいわ!はやく、おはなしのつづきをして!」
ええ。ええ!勿論ですとも!
英雄様が出てくるまで、あと少し_______