そらへ
うごかない。わらわない。はなさない。
今になって初めて 顔を見た気がした
その大きな目は まぶたの奥に眠ったまま
あんなにも聞き取りづらいしゃがれた声を
またききたいと思うなんて
思ってもいなかった
うごきそうでうごかない
何も知らないから 知らない顔で通り過ぎる
昨日までの自分と同じ
今日は偶々違う立場
話したこと 笑ったこと
全部忘れてしまいそう
そんな怖さ
ひとつ時が経ち ふたつ時が経ち
ゆっくりと 失われてゆくのか
無理して笑ってはいないよ
泣き顔より笑顔の方がいいと思った
それでも 誰かの悲しいうたは
耳に残る
そんな恐さ
悲しいのと笑えないのとは違うと思いました