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中曽根心中の心中  作者: 小高まあな
第四章 続く日常
11/32

4−2

「どう?」

 一足早くここなに浴衣を着付けてもらい、ぼんやりとテレビを見ていた京介は、その声に顔を上げた。

「……おお」

 ここなの姿を確認すると、感嘆の声を漏らす。

 そこから沈黙。

「……なんか気の利いたコメントないわけ?」

 片眉をあげてここなが言うので、

「似合ってると思います!」

 慌てて京介は言った。

 ここなが満足そうに笑う。こんな簡単な言葉で、とても幸せそうな顔をするなんて反則だ。

「でも意外だった。なんかこう、もっとピンクとかでレースとか付けちゃう系のを着るのかと思っていたから。丈短かったり」

「キョースケは、こういう方が好きでしょう?」

 ここなは当たり前のように言って、微笑んだ。

 紺地に金魚柄の極めてクラシカルな浴衣。帯は少しピンク色の平帯。上から小さな兵児帯をふわふわっと重ねていた。

「それに私も、フリルとかレースとかを浴衣につけちゃうのはちょっと違うなーって思うの。和風を楽しみたいよね」

 化粧もいつものばっちり化粧ではなく、ビューラーを使わず、マスカラで少し睫毛を目尻に流しただけだ。

 髪は簪でまとめていた。

「うん、その方がいいと思う。似合っている。綺麗」

 改めてここなを眺め、京介は頷いた。ここながくすぐったそうに笑った。

「さて、行きましょ」

 小首を傾げてここなが言った。

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