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【プロットタイプ】野暮なことを

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

ものを買う時に気を付けなくてはいけないのは、イニシャルコストとランニングコスト。


今回は真面目に考えました。

野暮でしたが。

公園の日陰に芽を出した木が、痩せっぽちにも懸命に背を伸ばしているのを見て、『あと少しだぞ』と声を掛けたくなる。あと少しで、暑い暑い夏が来る。きっと此処にも日が当たるだろう。

そう考えると以前、鏡花がボヤいた言葉を思い出した。

――水族館、行こうかな。君が好きな水族館。

また、訪れるのも良いかも知れない。諭羅の忠告を胸に秘め、また。


鏡花がゴロンと床に寝転んで居たので、何時もの様に腰掛けて、髪を撫でる。わさわさと掻き乱し、そしてまた整える。其れを繰り返す。

「うぬー。どして乗るのー、瑠衣たん。そして何をしているのー」

「水族館までの運賃とそれぞれの入館料」

運賃が安ければ入館料が高く、運賃が高ければ入館料が安い。そうなると考えなくてはならないのは、一度だけ訪れるか、何度も訪れるか、である。

基準として行うのは、年パスの金額と年パスの元を取る為に訪れる回数。これで新しい光景が見えてくる。

入館料が安くても、交通費が掛かる様ならば、そこで費用が嵩む。今回、其れが顕著に出ていた。年に一度訪れるなら、入館料の安い方。何度も訪れるなら、入館料の高い方。

「え、瑠衣たん水族館行くの!? 鏡花も行きたい!!」

適当に髪を撫でる。たまには一人でゆっくりしたいんだ。誰かに話し掛けられる訳でもなく、幼少期、魚を見上げた様に。

そこまで考えて、諭羅の忠告を思い出した。

――瑠衣、苦労が無ければもっと陳腐な物になってしまうよ?

そうなのだ。だからこうして金額を調べて、ただ比較するだけではあまりにも何も見えてない。表面上の事しか分かって居なかった。

後先の事を考えず、ただ価値以上のものが水族館だけだとしても、其れを選ばなくては。

「瑠衣たーん、聞いてるー? 鏡花も行きたーいって言ったんだけどー」

「一人で行きたい。こればっかりは譲れねぇ」

あの時感じた壮大さを、自らの小さを感じる為には、一人で行く必要がある。

そう言って鏡花の体から臀を上げると、さも驚いた様に目を見開いていた。

「あらあら……。これは珍しい。人を試すのではなく、我を通すなんて。まぁいいや、行っといで。お土産(みゃー)期待してるから」


「へっへっへっ。クランチだぁー」

鏡花に餌付けをして思うのは、過去の追憶。俺も両親に貰って頬張った。

共に購入するのと、家で誰かから貰うのは違うだろう。それで良いと思ってる。

前にもお話した通り、『金銭的な意味』だけで購入を考えるなら、イニシャルコストとランニングコストを考える必要があります。


初期投資、幾ら払うのか。維持費、幾ら払うのか。


考えた結果は至って単純。

交通費が高い方が、やっぱり継続してお金かかります。

幾ら入館料が安くても、通った分だけお金掛かります。


年パスを購入するという事は、行った分だけ安くなるという事だから、どうしても交通費安くしたい。


でもさぁ、思い出の場所を訪れたい。ただそれだけなのに、『お金云々、どーたらこーたら言うの、野暮じゃないの? その苦労もあって、また光景が響くんじゃないの?』という言葉。


その思い出をより確かなものにする為に、鏡花の同行を断ってます。

ベッタリな様でいて、ベッタリではない。

相手が嫌ならちゃんと離れる。そんな関係。

理想の関係。

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