伊月の過去
2年前、伊月が中学3年生の頃の話。
伊月は中学生の時も水泳部だった。恋愛にも興味はあったし、周りにはカップルも結構いた。伊月は中学生の頃からモテていたし告白されることもあった。ただ、彼は彼女を作ったことがない。
なぜなら、伊月は男が好きだからだ。それに気づいたのは水泳部の男の後輩に恋をした瞬間だった。
柊莉久は優馬のように明るくて、誰とでも分け隔てなく仲良くなれるそんな少年だった。
莉久「先輩!お疲れ様です」
そう言って莉久は伊月にタオルを渡す。
伊月「お前も、おつかれ。」
毎日毎日、莉久と話しているうちに伊月は彼の魅力に惹かれていた。ある日、莉久は伊月と歩いていると、男の人たちが手を繋いで歩いているのを見かけた。伊月は、莉久に気になることを聞いてみた。
伊月「お前は、男と付き合うのどう思う。」
莉久「いきなりなんですか笑、俺は誰が誰と恋するのなんて自由だと思いますし、俺はいいと思いますよ。」
伊月は嬉しかった。莉久は俺のこと受け入れてくれる、認めてくれる。それが知れただけでうれしかった。
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ついに卒業の日、伊月は莉久に告白をした。
伊月「俺、お前のこと好きなんだ。」
莉久は数十秒固まった。伊月は不安になりながらも彼の返事に耳を傾けた。
莉久「…ッ、俺は貴方の気持ちには応えられません。」
その瞬間、伊月は耐えられなくて学校をとびだした。莉久なら、俺ともいけるのかと勘違いしていた俺が馬鹿馬鹿しかった。
あっけなかった。やっぱり男が男を好きになるなんておかしかったんだ。あぁ、もうやめよう。これで終わりだ。
それから、伊月は恋愛をすることをやめた。