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ー9ー


 僕達のクラスは「キラキラ映えスポット」をすることになった。

 クーナは、持ち前の器用さを武器に当日のお客さんのネイルを無料でするらしい。他の生徒が何をするのかという役割りでいうと、美術部の人が映え看板を作り、写真部の人がチェキを撮る。スマホで撮影した物に対しては、パソコン部がパソコンでの加工やスタンプを貸し出し、プリクラ風にプリントアウトした物をお渡しする。料理研究部の人が、レインボー綿菓子を販売したり、僕はクーナが作ったネイルチップなどの雑貨の販売員をすることになった。

 初めは、無料ネイルサロンとフォト写真のお店を考案していたんだと思うんだけど、クラスの人の食べ物を販売したいという要望も上手く取り入れた形となっていた。

「あとは…アッと驚く飲み物があれば」

「少し前にレトロ喫茶のメロンソーダとか流行ってたよね?」

 僕がクーナになんとなく提案してみた。

「うーん…他のクラスの出し物とカブってるものはダメらしくて、カラフルな炭酸はもうあるんだよね」

「じゃあ、バタフライピーティーとかは?」

「え?なにそれ?」

 クーナが首を傾げるので、僕はスマホで検索した画面を見せることにした。

「これ、なんだけど」

 そこには、青色の綺麗な飲み物が映し出されていた。

「なにこれーーーっ?!!」

 スマホを見たクーナが、ひときわ目を輝かせている。

「レモンを入れると紫色に変わるんだ」

「すごっ!化学みたい!これならジュースとして誰でも提供できるからいいかも♫」

 僕の知識がクーナの助けになったみたいでよかった。自分で飲んだことはないけど、ずっと気になっていた飲み物だった。

 手分けして看板を作ったり、教室を飾る手伝いをした、クーナはそれ以外にも何かを企んでいるようで、せっせと寝る間も惜しんで何かを作っているようだったけれど、あれはいったいなんだったんだろうか?



 文化祭の当日になった。

「なんだこりゃ!」

 ヤンキーくんが朝登校してくると、大きな声をあげていた。

 男子校の教室のわりにピンクな装飾に変わり果てた内装にビックリしたのかもしれない。

 クーナはメイドさんのような格好をしていて、今日も女子にしか見えない。

 そんなクーナは、ヤンキーくんの前に立つと学ランを脱がせて、自前で作っていたモノをヤンキーくんとその友達に着せてしまった。

「俺たちだけ、コレなんかよ」

 その衣装は、コーヒー店のギャルソンのような、メイドに合わせた執事のようなシャツにネクタイとベスト、髪型はオールバックにまとめられ、それらしい格好におさまっていた。

「うんうん!キマってるね!それで、この看板を持って、売り込みヨロシク♫」

 いつものヤンキーの制服を着崩した姿とは違って、これはこれで新しい1面を見れたような感じがして僕は驚きを隠しきれない。

 まるで、クラスの生徒を一人一人クーナがプロデュースしていくかのように、それぞれが得意であろうスキルを最大限に発揮できるように与えられたクラス店になっているような気がする。

「(…やっぱりクーナってすごいな」

「つか、俺等が看板下げてお前の指示に従うとでも思ってんのかよ」

 と、言いながらヤンキーくん達は、どこかへ行ってしまった。

「普通に見た目カッコよかったのにね」

「ま、教室の前でも自分で呼び込みするし大丈夫だよ!」

 開始の時間になると、一般の人の入場が始まったみたいだ。

 クーナの狙い通り、他校の女子が「可愛いね!」って言いながらやってきてくれている。



 

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