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「夏休みがあけたら文化祭だぁぁ!!」
「………?」
二学期が始まるとクーナは、人一倍元気に叫んでいた。
「そんなに、叫ぶほどのことなのかな」
「文化祭ってワクワクしない?」
しなくはないけど、そこまででもないかな。
「ボクは、絶対に絶対に実行委員になるんだ!」
クーナは、実行委員になりたいらしく意気込んでいる。もし、実行委員になったら、これから帰りが遅くなるってことなのかな。
友達がいないわけではないが、クーナがいないと女子みたいな話が出来ないから寂しい。
「頑張って」
それでも友達がやりたいことを応援しないのもどうかと思って背中を押した。
……それが、なんでこんな事になってしまったんだろうか。
今日は、クラスでやる出し物を決める日のようで、放課後にクラスの生徒全員が揃っていた。
「ボク達のお店は、『映えスポット』をやります!!!ババン!」
「それは、もう決定なのかよ」
クーナともう一人の実行委員が黒板の前に立つと、僕達の催しの発表がされた。
クラスでは、やりたい事の裁決をとらないのかとザワザワしていた。
「もっとこう食べ物とかやるだろ普通」
「普通を突き詰めても面白くないじゃん!」
ヤンキーくんとクーナが今日も真っ向から戦っていた。
「お前たちの文化祭での目標ってなんだ?!男子ばっかの学園生活に彼女を作ることだろ!!」
クーナが珍しくクラスの男子に向かって何か熱く叫んでいる。
「そりゃそうだけど、それと映えがどう繋がるんだよ…」
「可愛いモノの展示や写真を投稿したくなるような場所に女子は集まる!そしたら、話しかける機会も増える!焼きそばとかたこ焼きより絶対〜〜にっモテるはず!!」
食べ物がありきたりな事は、なんとなく分かる。でも、お客様が食べ物を買って離れる時間を考えるのなら、確かに映えスポットのほうが、滞在時間を考えると長いかもしれない。
「それは、お前がやりたいだけだろ」
ヤンキーくんから、痛い所を突かれてグヌヌっという顔になるクーナ。
「これやったら、他校の女子から連絡もらえる人が何人かできるもん!!!」
けれども、クーナも引き下がらなかった。
「具体的に何人だよ」
「3……いや、4………5人!!」
クーナが右手を前に突き出した。…文化祭でそんなに連絡先きかれるかな。
「じゃ、うちのクラスで連絡先を5人から聞かれなかったら、お前坊主決定な!」
「やってやらぁぁ!!!」
ヤンキーくんとクーナがヒートアップしてしまっているけれど…大丈夫なのかな。
「じゃ、やるものは何でもいい任せる」
「言ったな!!めちゃこき使ってやるからなぁ!!」
ヤンキーくんが折れて、クラスの出し物はクーナがやりたい事になったみたいだけど、具体的に何をするんだろうか?
なにより、僕はクーナが坊主とか嫌だけどなぁ…と、思った。




