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そして、次の日になった。
僕とクーナは寮の日曜日の洗濯機争いに負けて、学校の屋上で洗濯機が空くのを待っていた。
おそらく、アイリさんと僕は仲良くなれないままお出かけは終わってしまったんだと思う。
「(決局、なんだったんだろう」
「そういえば、昨日大丈夫だった?アイリにイジメられたりしてない?」
今日もクーナは他人の心配をしていた。
「僕は大丈夫。そもそも心がどうのとか相手に言ってないから(文句を言われる要素がないと思う」
「そっか」
クーナは、ようやく安心したような顔をして空をみている。
…昨日、アイリさんから聞かれたことをクーナに聞いてもいいかな。
「そういえば、なんで女装始めたの?」
「アイリって、シンゴが好きなんだけど、シンゴもアイリが好きでさ」
「(…?たぶんだけど、アイリさんが好きなのはクーナだと思うけど」
突然クーナは学生時代の話しをし始めた。
「せっかく2人が両想いなのに、幼馴染としてずっと3人でいるのが当たり前になりすぎてて、ボク邪魔かなって思った時期があって」
「いまでも、すごい仲良しだと思うけど」
だから、昨日も皆が大集合したわけで。
「だから、女装したボクとアイリの『どっちと付き合える?』みたいな事をしたことがあって冗談でさ」
「う?うん」
初めて女装した時は冗談めかしてやったって事かな?
「当然、女子と付き合いたいわけだから、アイリって言うじゃんシンゴは」
「まーそうですよね」
「そこからだと思う。ようやく2人が付き合い始めたの。んで、ボクは冗談でやったはずなのに、意外とハマるってゆー」
これは、推測でしかないけど、たぶんシンゴさんはアイリさんが、本当はクーナを好きなことを知っていたから、学生時代に告白しなかったんだろう。
そして、昨日の感じだとアイリさんはクーナが好きだったから女装をやめてほしくて「キモい」と言ったんだ。
けれど、その言葉を受け取ったクーナは「友達辞めたい。」って言われたって思ったんじゃないかな。
まー普通にキモいって言われたら誰でも傷つくとは思うんだけど。
うちの学校の文化祭にまで来てるんだし、まだアイリさんはクーナが好きなんだろうなぁ…でも、当のクーナ本人は、アイリさんを好きではないんだろう。
クーナが何も気づいてなさそうだから、言わないほうがいいのかな。とは思って黙っていることにした。
「あーーーーでも、アイリのおかげで丸坊主防げてよかったぁぁ」
「それは、本当にね」
僕は僕で、昨日のアイリさんとのお出かけにクーナがいてくれてよかった。
一方的に相談だけをされていたらと思うと少し恐ろしい。




