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そして、1日だけの文化祭は終わってしまった。あまり学校の行事に対して期待しているものはないのに、やってみるとけっこう楽しかった。
自分のクラスの出し物ではあるが、レインボー綿菓子を買ったり、初バタフライピーティーを飲んでみたりもした。
やはり、男子高ということもあり、他のクラス店は食べ物や謎解きとか、そういうクラスが多い中で、異彩は放っていたと思う。
柔道着やら、筋肉を見せたい男子ばかりの中で、女子生徒が立ち寄れるオアシスのような場所になっていた事は間違いない。
そんな中で、クラスの皆が気になっていることは1つだ。
「けっきょく、他校の生徒と番号交換出来たやついる?」
「あ、あの…俺!その」
パソコンの加工を担当していた人が手を上げる。
「え?いつのまに?!」
映えスポットとして、一番女子と喋る機会が多かったんだと思う。
「まーそのなんていうか(中学の時に同じクラスの奴が来て、またまた連絡先聞かれただけだけど」
「あ、それで言ったらボクも聞かれたかも」
料理研究部の人は、バタフライピーティーの上にクリームをひいて、ラテアートみたいな事をして手渡していたんだよね。それが、女子にかなり好評だった。
「猫とか動物アート人気だったよね♫」
クーナもネイルの途中でラテアートを頼んで喜んでいたっけ。
「ま!当然のことながら、俺は何人かに声かけられたけどさーそれはアニキもだけど」
ヤンキーくんの隣にいる友達が、クーナの格好のおかげでヤンキーくん共々モテモテだった事を告白する。
「おい、それは言うんじゃねぇ」
どうやら、ヤンキーくんはクーナを坊主にしたいがために、黙っているつもりだったらしい。
「でも、結果四人だけだったんなら、言っても変わらんくね?」
それ以外の人は、誰からも声をかけられなかったようでクラス内は、シーンとしてしまっていた。
どうしよう。このままじゃクーナが丸坊主にされてしまう…。
「ふはは!やっぱりお前坊主決定!」
ヤンキーくんがクーナの髪の毛を引っ張ろうとして、僕はどうにか声を振り絞った。
「ま、待って!!……その、僕も他校の女子とメアド交換した、から」
「はぁ?白井が??まさか」
クーナの髪の毛を触っていたヤンキーくんが僕の隣までズンズンとやってきた。
「スマホのやりとり見せろよ」
ヤンキーくんが僕に手を伸ばしてきたので、今日やりとりした女の子との返信内容を見せた。
「『また今度、休日にでも遊びましょう』だと???チッ…本当じゃねーか」
内容文を読み上げると、とりあえず信じてもらえたみたいでよかった。
「え!じゃー女子に番号聞かれた人がクラスの中に5人いたってこと!!」
「みたいだな…」
クーナが喜んでいると、ヤンキーくんはとても悔しそうにしている。
なんとか、クーナの坊主を阻止することが出来て良かった。
そして、今年の文化祭は教室の片付けをするとお開きになった。
寮に戻ってくると、すぐにクーナが話しかけてきた。
「もしかして、今日気を使わせちゃった?」
「え?」
「だって、クラス店の店番ずっとしてたのに誰かから番号聞かれたりしてなくない?」
クーナはどうやら、僕が嘘をついたと思ったみたいだ。
「あ………それが…」
僕はスマホの画面をクーナに見せた。
「クーナの幼馴染の女の子から帰りがけに連絡先聞かれて、交換したんだよね」
「そうだったの?!」
初めはヘアピンをくれてありがとう!みたいな感じだったんだけど、連絡先教えてって言われて『今度、遊びにいかない?』って言われたんだけど、なんで僕に話しかけてきたんだろうという気持ちがいまも拭えない。
「えと、なんか…来週出かけられないか?って言われてるんだけど、クーナ一緒に行ってくれないよね?」




