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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゲスな女、見〜つけた、駆除しないと⚡️

作者: 一宮 沙耶

1話 ハッカー


 女ってメス豚、嘘ばっかりで嫌い。でも、男性は、純粋で、子供みたく夢を追いかけていて、周りの人のことを考えてくれる優しい人ばかり。そんな姿が素敵。


 私は大学の時に、付き合っている人がいた。それを親友に話したら、初めて彼氏ができて、よかったじゃんと言われ、嬉しかった。そこで親友に彼を紹介して、親友も交えて付き合いができるって喜んでいたら、ある日、彼と親友が腕組んで歩いているじゃない。次の日、どうしてかと親友に問い詰めたら、もう、あなたには興味がなくなったって彼が言ってたよって。ひどくない? 彼はそんなこと言うはずがない。あの女が、お酒とか使って、体で誘惑したに違いない。たいして魅力もないスタイルないのに。でも、彼には、なんて言っていいかわからなくて、電話とかきたけど、涙ながらに無視を続けた。彼は、あの女に騙されて悪くないと思いつつも、どう話していいかわからなかった。


 その後、会社に入って、職場で素敵な人を見つけた。東大出ているらしいけど、そんなことはどうでもよくて、どんな仕事でも期待以上にやりこなす、やり手との評判だった。彼が会社を出てから、後ろからついて行って、駅で偶然出会った風で声をかけてみた。会社の廊下で会った時も、ワンピースが好みなのか、スーツが好みなのかと表情を探り、好きそうな服着て、駅で出会い、飲みにでも行きませんかと誘ったら、一緒に行こうと言ってくれたの。本当にドキドキだったけど、努力の甲斐があったわ。


 近くの居酒屋に行き、どんな仕事をしているのか、大体は知っていたけど、あまり知らないふりして聞いてみた。彼って、仕事のことになると、こんなことをしたい、そしてその次はと、淀むことなく目を光らせて力強く話した。そして、この会社の社長になってやるという夢を力強く語っていた。そんな話しを聞きながら、私は、絶対、この人と付き合う、彼の夢の実現を応援したいって強く思った。だって、私には夢がないから。


 でも、私には人には話していない力がある。小学生の頃からハッキングを学び始め、今では、ハッカーの世界でレッドアイといえば、それなりに知っている人もいるレベル。難しい所に入り込む能力というよりは、入った痕跡を全く残さないことで有名だった。


 そんな私が最初にやったのは、社内で彼のライバルと言われている人を排除すること。そのライバルは、バリバリのキャリアウーマンって有名だった。でも、絶対、何か悪いことをしているに違いない。


 この女のメールを見てみたら、本当にひどい。メンバーの子達に、罵倒の嵐。こんなこともできないのか、お前は生きている価値がない、死んじゃえばとか、3行に1回ぐらい、こんな言葉が出てくる。この女こそ、生きているだけで社会に害を与えてる。このことで引きずり落とすことも可能だけど、もう少しお仕置きしないとダメね。


 そこで、社内の財務システムに入り込み、会社口座から1,000万円、その女に振り込んでやった。あまりに単純だと信憑性がないので、まず会社から、全く関係のない休眠会社の口座に送金し、その口座からその女の口座に送金した。さらに、その女から、財務部の口座管理している女子社員に、「あの件、よろしくね。」という偽装メールをログに仕込んでおいた。


 その財務部の女子社員は、元々、経理清算とか依頼すると、つまらないこといっぱい指摘するとか、対応が悪くて気に食わなかった。ある案件で、支払対応してたら、もう間に合わないから支払いは来月だって。どれだけ私が上司から怒られたか知っているの。あなたが昨日早退したから間に合わなくなったんじゃないの。本当に嫌なやつ。


 3週間ぐらい何もない時間が過ぎたけど、急に、ライバルの女と財務部の女子社員に懲戒解雇という人事速報が出た。横領だって。やっとわかったのね。私の口座に送金するのはバレちゃうからダメだけど、他人の口座に送金するのは、バレてもいいなら簡単。私の腕なら。


 でも、私の彼のライバルになるのも、運が悪かったのよ。そうじゃなければ、どんなに社会の害でも、私に目をつけられずに済んだのに。ちょうど、よかったわ。これで当社から悪人が2人減った。


 彼から、お寿司への誘いがきた。もちろん、いつでもOK。お店に行くと、彼は、とてもご機嫌で、俺はついているって。そりゃ、そうよ。私と付き合っているんだから。これからも、ずっと、ついているわ。そのご褒美だから、大トロとウニを頼むね。美味しい。


 その後、夜景が綺麗なホテルの部屋に入り、シャワー浴びてからバスローブに着替えてシャンパンで乾杯。ブロックにカットされたチーズもおしゃれ。


 そして、両手で私を持ち上げてベットへ。ストイックに週3で筋トレしている彼の体はステキ。いつものとおり、硬いあなたの腕で抱きしめて。壊れるぐらい。温かいものが、そう、そこ。続けて、続けて、やめないで。私を壊して。あぁ、あなたと一つになっていく。幸せ。この時間がづっと続いてほしい。


 彼の寝顔は子供のようにあどけなく可愛い。彼に体を寄せて、顔を見ながら過ごすこの時間がとっても好き。彼の逞しい体も、頼もしい。背中を向けていた彼に後ろから胸を押しつけると、硬い背中を感じられて、守られている感じがいい。このために、嫌なことばかりの職場に我慢して過ごしているんだもの。


2話 泥棒猫


 この前、職場の廊下で、営業部の女性社員が、私の彼にずっと話していて、上目遣いとかして誘っている。私の彼は、あなたみたいなゲスな女には興味はないって、でも、人の彼に手を出す泥棒猫は許さない。こういう蛾のような害虫は、駆除しないと。


 いつも、フリルのついた服とか着て、ミニスカートであんなにもも出しちゃって、下品のレベルを超えているわ。ももだって太いんだから、逆効果でしょ。そうか、パンツを見せたいのね。それぐらいしか武器ないものね。それに、あの甘ったるい、アニメのような声、喋り方、男性に媚びるのもほどほどにしなさいよ。困っちゃ〜う、教えて〜って、あなたの面倒を見るために男性がいるわけじゃないのよ。周りに迷惑をかけないで。ここは会社なんだから、ちゃんと仕事をしなさい。


 彼女の帰り道とか1ヶ月ぐらい尾行したら、ある男性、あれは社内の男性社員で、彼女の2つ下の後輩だったと思う、その男性とレストランから出てくるのを見つけた。その写真を何枚か撮ってから、さらに尾行していると、二人はラブホに入っていった。もちろん、その動画をスマホで撮ったわ。すぐさま小さなパソコンを開け、そのラブホのエレベーターのマイクに侵入、2人の会話を録音してやった。喋っているのは彼女だけで、大声で上司の悪口とか言っていたわ。


 そして、2時間ぐらいしたらラブホから出てきて、後輩の男性にぶちゅーって、外でやることじゃないでしょ。男性の顔にも真っ赤な跡が。欲情に狂ってるとしか見えないわ。人間の皮を被ったメス猫、理性なんてかけらもないのね。


 その後、自宅に帰り、動画編集。天誅ね。まず、ラブホに入る動画に、少し時間は違うけど、エレベータの会話をのせ、その後、真っ暗にして、ネットにある他人の喘ぎ声を載せる。他人のだけど、どうせ、やっているんだろうから、同じよ。結構、インパクトのある動画ができた。作った私が見ても、ドキドキしちゃう。私は天才ね。なんて。


 翌日の朝、この動画を営業部全員と、管理職全員に彼女のアドレスから、ご報告って書いて送ってやったわ。清々しい朝からみるもんじゃないけど、営業部では大騒ぎになった。


 普通は、自分の送信メールボックスとかみないから、その女は、しばらく、どうして自分がみんなから興味の目で見られているのわからなかったみたい。でも、上司から、ちょっと来いと言われて聞かされ、動画を見たら、震えて、その場でお漏らししちゃったって後で聞いた。


 彼女はずっとフェイク動画だって否定してたけど、後輩の男性が、先輩女性からパワハラとセクハラで、無理やりホテルに連れ込まれ、エッチを強要されたってゲロった。なんと。やっぱり、ゲスな女がやることは想像を超えちゃうね。それだったら、いつものように偽装メールを仕組んであげたのに。でも、そこまでする必要はなかったわ。まあ、後輩男性の責任逃れかもしれないけど。


 後輩は、日頃から彼女の指導を受けていて、誘いを断ったら営業先を紹介してもらえなくなるので断れなかったって。会社側も、彼の言い分を認め、彼女をパワハラとセクハラで処分した。後輩男性を無理やりホテルに連れ込みエッチを強要した、性欲に狂った女って社内ですごく話題になって、彼女はすぐに会社を辞めた。そんなこと言っちゃう男の選び方も、あなたが悪いのね。いずれにしても、私の彼に手を出すから、そうなるのよ。


 半年ぐらい経った頃、彼と飲みに行って、あの子が、あれだけひどい理由で辞めたのでまだ就職先が見つからないらしいってと話題にした。彼は、あの話ねって、興味なさそうだった。そうよね。他人のことなんて、いなくなればすぐ忘れるって。そのレベルの女だったということ。でも、彼が蛾の餌食にならなくて良かった。


3話 企業買収の代案


 彼が同期トップで課長に昇格し、事業拡大に向けたアライアンスを検討する部署に配属となった。社長への第一歩ね。私がいるから安心して羽ばたいて。


 昇格祝いを2人でした後、ベットの中で、彼から、岩井システムズという会社は、優秀なシステムエンジニアが多いので買収するというのが、最初の会社からの指示なんだけど、どうしようかなと独り言を喋っていた。私から、その会社で不祥事とかあって、倒産しそうになったら、買収しなくても、社員をごっそり引き抜けるよねと話したら、そんな都合のいいことないだろうって苦笑いしていた。そんなことないよ。私がいるじゃない。


 翌日、岩井システムズという会社のサーバーに入ると、オンラインショッピングのサイトをいくつか開発していて、その利用ユーザーの生データも保有していることがわかった。名前、住所、口座番号とか、結構、秘密レベルの高い個人情報じゃない。普通は、こんなデータ、開発会社が持っていないんだけど、それだけ管理が甘いってことね。これは使えるわ。


 ビルに忍び込んだりすると、見つかるんじゃないかとハラハラするけど、ハッキングで、足跡を完璧に消せば、平静な気持ちで情報を盗み出せる。スリルを味わえないけど、雨が降ってきたから、傘をさして歩くようなもので、みんなも傘さしてるから、全く違和感はない。そんな感じかな。


 でも、ハッキングしてる時って、ついつい、チョコレートとか甘いもの食べながらになっちゃう。太っちゃわないように気をつけないと。彼のために頑張って、ぶくぶく太って嫌われたら本末転倒だもんね。バストが大きくなるのはいいけど、二重あごとかなったら、もう生きていけないわ。そんなおばさんいるけど、あなたはイグアナなのとか言ってあげたい。いずれにしても、明日は絶食ね。


 さて、この会社の社員メールから、お客さまの競合会社に、このデータを送り、その会社から、岩井システムズ社員の口座宛に200万円を送金することにした。


 社員を選ぶため、岩井システムズの社内メールを見ていったら、情報システム部のある女性社員2人が仲良しで、別の女性をいじめてるじゃない。最初は、はぶろうと連絡し合っていただけだったけど、そのうち、請求書の金額で0を一つ増やしたものと差し替えておこうと相談してる。そんないじめのために、その女性は請求書の作成をミスったと上司から厳重注意を受けていた。可哀想じゃない。それだけじゃなくて、お茶に唾入れて出そうとかメールしているし、どこでも酷い女っているのね。


 データを買い取る会社は、どうやって選んだかって。先日、ネットのLoCoGooのサイトでブラ買って、つけたら、糸がほつれていることを見つけた。返品したいといったら、開封し、つけた後の下着は返品できないって。粗悪品なんだからなんで返品できないんだって文句言ったんだけど、全く聞くそぶりも見せないって、ひどくない。こんな会社、潰れちゃえばいいのよ。そこで、ターゲットはLoCoGooにした。その営業部の社員情報を見ていたら、偶然、さっきの岩井システムズの女性社員のうち1人と高校で同じクラスの女性がいて、これで決まりっていう感じ。知り合い同士で作った計画と警察から言われたら、言い訳難しいものね。


 岩井システムズの2人の女性社員の個人メールから、LoCoGooの、元同じクラスの女性社員の会社メールに個人データのファイルを送り、合わせてパスワードも別メールで送ってあげた。そして、LoCoGooの会社口座から、2人の女性社員に200万円を送金して終わり。簡単だわ。


 そして、警察に匿名で告発メールを。自分、岩井システムズの社員だけど、お客様の個人情報を売って、金儲けしている社員がいるって。岩井システムズで虐められていた女社員のメールアドレスから送っておいた。あなたの仇をとってあげたわ。


 1週間後ぐらいに、個人情報流出ってテレビのニュースで大騒ぎになり、社員が顧客の口座番号を売ったとか、連日、コメンテーターがひどい会社だと責め立てた。岩井システムズとLoCoGoo両社の社長は責任を取り退任、両社とも多額の損害賠償を請求され、ほとんどの社員は離れていった。


 もちろん、彼のスマホは私の管理下にあるので、一番初めにニュースになった時に、ネットニュースを彼がすぐ見るようにポップアップを出しておいた。彼はぴーんときて、就職エージェントとタッグを組み、1週間で約8割の岩井システムズの社員の引き抜きに成功。これは社長表彰にもなり、彼は、着任早々に大手がらを得た。あなたは優秀だけど、それだけじゃ、ここまでいかないわ。これも、私がいるおかげよ。忘れないで。気づいていないと思うけど・・・。


4話 大臣への脅迫


 彼は、順調に成績を伸ばし、3年で課長から部長に昇格した。35歳で部長というのは異例だけど、彼への期待を最大限にすることができた私のおかげね。そこで、次に彼に与えられたミッションは、メタバース事業で、トップのメディア会社とアライアンスを組むことだった。


 私は、知っている。そのアライアンスには、正攻法ではダメなこと。そこで、メディア業界を所掌する総務大臣の弱みを見つけて、脅すことにした。携帯会社のサーバーに入り込み、総務大臣のスマホでのやりとり、通話記録を1ヶ月間見ることにした。最初は、日頃から警戒しているのか、あまり問題とか見つからなかったけど、そんなことでつまづく私じゃない。


 やっぱり、ゲスなおじさんね。ホステスと2人で、税金を使って、フィンランドにお忍びの旅行に行っていたことがわかった。やっぱり、権力を持っているおじさんって、こんなもん。さらに、そのホステスも、嫌な女。お店があるビルのエレベーターの会話とか盗聴したけど、いつも、あいつから、いくら金を巻き上げられるかなんて話しばかり。さらに、お店の女の子等を脅して、売春までさせて、ピンハネしている金の亡者。これは、総務大臣とは別に制裁を加えないとダメね。


 そこで、まず、総務大臣から、トップのメディア会社の社長に、メタバース事業について当社とアライアンスを組むよう圧力をかけること、そのリーダーとして私の彼を入れること、このことは秘密にすることについて、匿名でメールをし、それをのまないと、お忍び旅行を公開するぞと脅迫した。


 どうも、メールは誰が出したか調べたようだったけど、そんなことで見つかる私ではない。私の力を侮らないで。最初は、あれやこれや言って、渋っていたから、今度は、娘の大学入学が裏口だっていう証拠も見つけて脅してやった。どこまでも悪人ね。娘のせいで、大学落ちた人のことどう思っているのよ。良い社会を作る義務がある政治家でしょ。


 さすがに観念したのか、わかったと返事が来て、その後、私の彼は社長から呼ばれ、お前を名指しで、メディア会社からアライアンスのオファーが来たぞと告げられた。彼は、やっぱり俺は実力があると大喜びだった。


 でも、総務大臣、こんな悪人、許すはずないでしょう。また、さらに偉くなって、今回の脅迫のこと再調査とかされても困るし。ただ、用心深いのか、脅しで使ったもの以外に、なかなか証拠が見つけられなかった。でも、叩けば埃は出てくる。1ヶ月ぐらい探したら、5年も前にはなるけど、消防車の購入で、自動車会社から賄賂をもらっているじゃない。やっぱ、あったわ。これを、週刊誌に売ってあげたら、大炎上、すぐに失脚となった。週刊誌からもお小遣いもらえたし。


 次に、ホステス。そのお店があるビルのエレベーター工事があるってわかったから、そのホステスがのる時間を調べてみた。いつも、16時半にお店に行くという几帳面な性格がわかったので、その時間に、その女が8階についた時、エレベータの電源を切って、ワイヤーのストッパーを外してやったわ。今は、どの装置も電気で操作することが多いから、私には、簡単に操れる。


 その女は8階から真っ逆さま。どうなったかは知らないけど、生きてないでしょうね。これで、世の中のクズは、また1人減ったわ。この店の女の子達のためにも、いいことをした。私って天使ね。


5話 裏切り


 彼の携帯が私の管理下にあるとは話したけど、最近、あまり見てなくて、そういえばってふと見てみたら、ある女と頻繁にDMをかわし、一緒に寝ている。なんてことなの。彼の成功を支えていたのは、私なのに。もちろん、横取りしようと彼に取り入るメス豚が悪いんだけど、それに乗っかる彼も彼。これまで、どれだけサポートしてあげたか。


 まず、この2人がやりとりしているDM見ると、ゴルフ場で知り合った女のようで、女から食事に誘ったのがきっかけみたい。そういえば、少し前、ゴルフ始めようよって誘われたけど、あまり興味なかったから断ったせいなの? それで、頻繁に飲むようになったって。この前は出張とか言ってたけど、2人の海外旅行だったのね。


 携帯に、けばけばしい下着姿の写真とか送って、あなたと会うのが待ち遠しいって。バストもそんなにないし、本当に下品なおばさん。こんな透け透けの下着って、気持ち悪いわ。やることしか考えていない、盛りのついたメス豚なのね。でも、こんな女に騙されるなんて、なんてことなの。まず、直接会って、私が彼女なのと言ってあげる必要があるわ。


 この女が道を歩いている時に、後ろから声をかけた。おばさん、なんか、彼と旅行とかしているみたいだけど、彼の彼女は私なんだから、人の彼にちょっかい出さないで、消えてって。そうしたら、私のことは聞いているけど、別れたって言ってたよって。負けたからって、他人のせいにしないでよ。やっぱり、この程度の女じゃ、負けても当然よねって言うじゃない。はったりね。本当に、品がない女。じゃあ、3人で話しましょうって、その場は冷静に引いてあげたわ。


 その後、彼も呼び出し、どっちが彼女なのか問いただしてやった。その場では、彼はしどろもどろになって答えないから、今、私って言わないなら、私はあなたの前から消えてやるって言ってやった。それでも、答えないから、もう、この人はダメだと思ったわ。


 私が20代初めの頃は憧れていたけど、もうすぐ30歳が見えてきた時に、最近、この人は私を支えられる器じゃないと思っていたの。なんか、考えが浅くて、深みがない。また、彼のあそこが、このメス豚に汚されたんじゃ、気持ち悪くて、これからエッチはできない。メス豚のあそこに入れたんじゃ、本当に気持ち悪い。


 今が、別れ時ね。そう思って、じゃあね、その人と仲良く過ごせばいいわって、捨て台詞を吐いて別れてやった。


 でも、これまでの感謝がないって、沸々と怒りに変わってきた。どうしようかと悩んだけど、彼が、その女とホテルから出て、道を歩いているときに、クロスしている横断歩道にある信号を両方とも青にしてあげた。そうしたら、2人は青で何も気にせず横断歩道を歩いている時に、横から車が突進してきて、速度を落としていなかったから、大きく飛ばされた。救急車が呼ばれたけど、搬送する人は、もう心停止で助からないって言っていた。


 当然の報いね。じゃあね。これまでありがとう。一応、充実した20代を過ごすことができたことにお礼を言っておくわ。


 それから2年後、私は、3人の殺人の罪で刑務所にいる。懲役15年だって。ひどいよ。私、刑務所出る時には43歳よ。アラサーとはいえ、女として、まだまだ美しい時なのに、時間を返して。結婚だってまだなのよ。しかも、2人を引いたのは車の運転手だし、死んだ2人も自分の信号だけじゃなく、違う方向の信号を見ずに歩いていたのが悪いんじゃない。私のどこが悪いの?


 私の弁護士となった女に、私が行ってきた正義の数々を伝えてあげた。どれだけ、この世の中を良くするために私が役立ってきたか、私は天使だということ。でも、ひどいじゃない。その女弁護士、私のこと、どれだけゲスな女なんだっていうんだから。

ゲスな女たちがいっぱい登場しましたが、楽しめましたか? これからも応援してくださいね。 

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