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福子さんの第二の人生  作者: つぐつぐ
6/18

5

「 」を会話文

( )を心の声で書いてます。

 男の怒鳴り声に、思わずショーンの後ろに隠れ服を掴んで縮こまる。


「オマエこそいきなり何だ!、俺たちは倒れてた人なら運んだが、アリーなんてやつは知らん…知ってたとしてもオマエのような奴に言うわけ無いだろ!」

「貴様……黙って聞いてれば……」


 殴り合いが始まりそうな、ピリピリとした雰囲気の中、


 パンパンと手を叩き、

「お二方とも、ここは病院ですのでお静かに、それでも騒ぐと言うのならわかりますね?」


 笑顔でこめかみをひくつかせる先生を見て固まる二人は、謝罪を口にすると借りてきた猫のように大人しくなった。


「…分かればよろしい、ショーンが運んてきた患者は

 衰弱が激しく、一刻を争う状況でした。」

「そんな…アリーは…子どもは無事なのか?」

「貴方がお探しのアリーさんかは分かりませんが、幸い処置が間に合い母子ともに無事です。」

「…運ばれた女は黒髪で赤い石の腕輪をしてたか…」

「ええ、黒髪で赤い石の腕輪をつけた女性ですよ」

「そうか……」


 フードの男が息を吐く音が辺りにに響く、


 先生が患者の顔を見て確認してくれと、フードの男を病室に案内する後ろを、ショーンと二人付いていく。


 処置室の簡素な寝台に寝ている女に近づくと、男は存在を確かめるように頬に触れ撫でる。


「この方は貴方がお探しのアリーさんで間違いありませんか?」

「あぁ…アリーだ。」


 こちらに向き直ると、静かに頭を下げ


「……すまない、恩人に牙を向ける所だった。」

「いや、わかってくれりゃいいし、オレは運んだだけだしな、恩人って言うならこの子だぜ」


 ひょいと私を、フード男の目の前に抱き上げた。


「お前も、疑って悪かったな、アリーを助けてくれて感謝する」

「ううん。みんながたすけたんだよ」

「おっ、いい事いうじゃねぇか、確かにみんなのおかげだな、なぁ先生」

「そうね、アリーさんも頑張ったから助かったのよ」

「そりゃそうだ」


「……そうだな、あなた達のおかげだ、改めて感謝を」

 再度頭を下げた男のフードが外れ、燃え盛る炎のような赤髪と金の目をした、美丈夫の顔が表れた。


「オマエ……いや貴方様は…」

「すまないが、詮索しないでくれ」

「……わかりました。」


 急にショーンがかしこまる空気の中、先生がアリーさんは二、三日の入院が必要な事を伝えると、男はそのまま付き添う事になり、これ以上私達が出来る事もないから、病院を後にする。


 ショーンに抱えられたまま、帰路に着き、家に着く頃にはすっかり日が暮れていて、家の前にお怒りの母の姿が見え、腕の中でガクブルしてる私に変わって説明してくれ、説教は無事回避された。


 ショーンと別れて、家の中に入ると兄に、「手に持ってる荷物何?」と聞かれ、荷物持ったままだった事に気づいたけど、もちろん今から外出が許される訳もなく、明日の予定が決まった。






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