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「 」を会話文
( )を心の声で書いてます。
母に魔法はどうすれば使えるようになるのか訪ねたら、「学校で教えてくれるわよ」と、困った時の兄頼みで教えて〜と突撃したら、「まだ習ってない」の一言……詰んだ。
諦めきれず自己流で、瞑想や、腹に力を入れてたら、家族に「トイレ我慢しないで、早く行きな」と、さすがに心が折れました……。
魔法を使うことが出来ず、錬金も出来ず、収納も出来ない駄目人間まっしぐらなフクです。
それじゃ駄目だと、出来る手伝いを頑張った結果、行動範囲の拡大とご近所さんとの仲が良くなった。
母もご近所さんから兄妹を褒められるからか、母から一人で出かける許可を得る事が出来た。(ほぼ母さんの使いっぱしり要因だけど、いいんだ…。)
今日も今日とて、母に頼まれ、父へ差し入れを持って行く。届け終わり、夕飯までは自由時間だ。(信用を勝ち得たおかげで)
今日は何しようかな~とぶらぶらしてたら、視界の端に赤い光がちらついて、光の方に視線をむければ、うずくまる人影が見えた。慌てて駆け寄り声をかけるが反応がない。フードを被っていて顔がよく見えないが、お腹が膨らんていて妊婦さんのようだ。
早く病院に連れて行かないと…どうしようとあわあわしてたら、
「おぅ!フクじゃねーか」
救世主が来た。
「ショーンさん、びょういんつれてって」
「ん?腹でもこわしたのか?」
「ちゃう、このひと」と指差し
「あ?お…おい、大丈夫か?」
死角で気づかなかったのか、慌てて駆け寄り背負おうとするから
「その人にんぷさんだよ」
「あ?……まじかよ」
横抱きにし、ゆっくりと病院に走り出す。
落ちていた荷物を拾って、後ろを追いかけて行く。
ショーンさんは犬の獣人で、足が速いから途中見失ったけど、行動範囲が広がったので病院の場所は分かる。
ぜぇはあ言いながら辿り着くと、すでに診察中だった。
「おっ、来たか、今先生が診てくれてるから、もう大丈夫だぞ」
背中をさすりながら褒めてくれるショーンさんは、明るく温和な性格のご近所さんだ。
「しっかし、よく見つけたな〜、おれ言われるまで人がいた事に気づかなかたぜ」
「?あかく、ひかってたよ」
「??…赤い光なんてなかったぞ」
「???」
顔を見合わせて、首を傾けてると、診察を終えた先生が顔を出し、患者の元へ案内しようとした時、扉を蹴破りフードをかぶった男が入って来た。
「アリーは何処だ!!ことと次第よってはただでは済まさぬぞ!」
アリーって誰?それよりも貴方は誰??
こちらを睨めつけながら、ふと私の手元に目線が止まると、わなわなと震えだし
「それはアリーのものだ!お前達が攫ったのか!」
読んでくださり、ありがとうございます。