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福子さんの第二の人生  作者: つぐつぐ
11/18

10

「 」を会話文

( )を心の声で書いてます。

 あれからニックとワットは、さらに改良を重ね干し肉を売り出した。

 最初は通常の干し肉より値段が高いので、売れ行きが今ひとつだったが、一度買うと皆リピーターになり、冒険者はもちろんの事、のんべえ達にも支持を受け、(父さんもハマった…)ニック達だけでは生産が追いつかなくなり、またまたギルドを巻き込んで、干し肉専用の作業工房が建てられた。

(最近こういう流れが多いなぁ)


 会うたびにやつれていく二人に、大丈夫か聞いても、「作れば作るだけ売れるのが、楽しくてしょうがない」と、とてもいい笑顔で言われたので、休むのも大事だよと伝え、工房へ戻る二人にそっと手を合わせ見送る事しか出来なかった。(目がイッてて私の声は届いてないな…ありゃ)


 大変な二人とは裏腹に、今日は何しようかなと、一人散策していると、ショーンがかけ寄って来た。


「フク良い所で会えた」

「どしたの?」

「今、手伝いの最中か?」

「ちがうよ、あそびにいくとこ」

「なら今から俺とギルドに行こうぜ」

「…なんで?」

「俺とフクに手紙が届いたんだとよ」

「?」


 ひょいと抱き上げ耳元で「ロナルド様からだ」と囁きそのまま歩きだす。

 ギルドに到着し中に入ると、ちらほらと冒険者たちが居て、もう少し混んでるのかと思っていたら、声に出てたのか、朝一と夕方が混み合って、今はちょうど空いてる時間帯だと教えてくれた。


 子供連れが珍しいのか、チラチラ見られながら、受付嬢に要件を伝えると、一通の手紙を渡された。

 お礼を伝えギルドを後にする。

(なんか、空気がピリピリしてて緊張した)


 広場のベンチに座り、ショーンが手紙を読み聞かせてくれる、



  親愛なるショーン、フク


  君たちのおかげで、無事に出来た。

  古くからの友人にも再開出来た。  

  元気な子にも会えた

  そちらに行く事は叶わないが、

  いずれ会いに行く。


             R




「…これだけ?(何だこの文章…)」

「手紙を検閲される可能性があるから…こういう書き方になったんだろう」

「そっか、ショーンさんはわかった?」

「おそらく、部下と再開できて、アリー様も無事出産されたんだろうな」

「よかったね」

「あぁ…無事に出産されたようで、本当に良かった」

「じゃあ、おいわいしなきゃだね」


「俺達がお祝い?」

(もしかしてこの世界出産祝いしないの?)

「あかちゃん、おめでとうのおいわい」


「それいいな、再来月王都に行くから、それまでに用意しなきゃだな〜」


「フクは何がいいと思う?」


「……わかんない(前は商品券渡してたけど)」

「そうか、でもフクならいい贈り物思い付くさ」

「なんで?」

「デーツも干し肉もフクのアイデアなんだろ?」

「……ちがうよ(本当に違う〜)」

「オババもニック達もフクのおかげだって言ってたぞ」

「……(ひぃ〜、やめて)」

「フクが言い出しっぺだし、期待してるな!」

「……(私のあほ〜〜)」


 そう言うと、じゃあ今日は帰るかと、抱き上げて帰路につく。


(今すぐ引っ越しできないかな…無理だろうけど)



読んでくださり、ありがとうございます。

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