番外編 (一正Ver)
今回のお話(一正Ver)は璃桜の父・一正の視点で描かれています。
誘拐事件でお世話になった田山さんに御礼する約束は温泉に行くことだった。
落ち着くまで一年ほど掛かったかな?
俺の知り合いが経営する温泉宿へ行く。
うちと田山さん一家でお風呂の貸し切りだ。
田山一家は子供が三人と孫が五人来た。
広い露天の温泉では化けを解いた 只の狸が湯船に浸かり歌を歌っている。
男湯は狸と狐と猫が共にいるという不思議な光景だ。
女湯には桜子と田山さんの奥さんだ。
湯に入ると化けが解けてしまうので、いつもは狭い家族風呂なのだそうだ。
子狸が温泉の周りを走り回っている。
―― まっ よかか! ――
綺麗好きな妖狐の“春”は不機嫌そうだが……
猫のくせに九重郎はお風呂が大好きだ。
のぼせそうになると変化して空を一周してくる。
喜んで春も共をする。
この宿の女将は一緒にやって来た管狐の鈴の姉だ。
人間の男と結婚するのに少しだけ助力したので、偶に安くで泊まらせてもらう。
遅れて鈴が温泉に入ってきた。
慌てて璃桜の目を塞ぐ。
女性の人型姿だったのだ。
拙い言葉の羅列ですが、読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると幸いです。