賽の河原(璃桜Ver)
今回のお話(璃桜Ver)は璃桜の視点で描かれています。
『とと、とと』
可愛い声に眼が覚める。
僕の周りには、璃白・村岡君の弟そして少し離れた場所に九重郎がいた。
『良かったにゃ。璃白様のおかげで助かったにゃ』
命は助かったみたいだ。
『とと。呼ぶの遅い。本体沢山怪我してる』
あぁ、窓の下の草花が僕を包んでくれたなぁ。
「でも、ここはどこ?」
《 賽の河原です。あちらが三途の川になります 》
綺麗な人が話しかける。
いや人ではない神様だとすぐに理解する。
《 ご苦労様でした。よく頑張りましたね。その宝珠は私が預かりましょう 》
弟くんから宝珠を受け取ると、両手で包み経を唱え始めた。
宝珠は弾け、沢山の綿毛のような物が川を下っていく。
神様が九重郎の頭を撫でる。
キラキラ軀が光り出す。
「待って!」僕は叫ぶ。
『またすぐに会えるにゃ』
そうだ。転生することを僕は解っている。
『僕はあの川を渡ります。兄にうまく伝えてください』
弟くんもキラキラしている。
《 あなたは私が連れて行きましょう。さあこれを飲んで 》
弟くんがお椀で出された水を飲んでいる。
「それは何?」
神様を僕は訝しんでしまった。
《 これは忘却の水“孟婆湯”です。あなたにもいつか必要となるでしょう 》
そう言って小さな瓢箪を渡される。
《 呪いも払っておきましょう 》
神様が僕の足を擦ってくれる。
「呪い?」
《 そう あなたは自分で自分に呪いを掛けたのです
これで段々良くなるはずです。以後気をつけてくださいね 》
足が軽くなる。
(そうだったんだ)と納得する。
『じゃあね』弟くんが神様に抱かれ手を振っている。
《 あなたがたのお迎えはもうじき来るでしょう では 》
三途の川を越え天上に消えていく。
『とと、きた』
璃白が指さす方を見上げると、青龍様がやって来た。
《 無事だったようだな。こちらもちゃんと生れたぞ 》
まだ小さい龍が角に掴まっている。
あの玉から生れた小龍はまだ僕の腕より小さい。
撫でようとすると、思いっきり指を噛まれた。
薬指に歯形が残る。
青龍様の背中に乗って飛び立つ。
「さあ、帰ろう」璃白を抱きかかえる。
景色が真っ白になる。
拙い言葉の羅列ですが、
読んで頂き有り難うございます。
感想等いただけると幸いです。