闘いⅡ (璃桜Ver)
【残酷な描写】殺戮・戦闘の残酷描写があります。
今回のお話(璃桜Ver)は璃桜の視点で描かれています。
逢魔が時、僕は職員室にいた。
首筋に強い痛みが走る。
校庭では、がしゃ髑髏が九重郎を飲み込んでいた。
――しまった――
宝珠は二階の教室の鞄の中だ。
朝切れかけた紐に気付き鞄に入れていたのだ。
教室へと向う途中、九重郎との“縁の糸”が切れたのがわかった。
身体の力が全て抜けた感じだ。
教室には、まだ部活終わりの生徒が沢山残っている。
重い足をどうにか奮い立たす。
教室にたどり着いた時もうあいつは窓の外から僕を探していた。
あいつの背中に紅く光る物を見つける。
泣き出したい気持ちを堪え、鞄を取る。
がしゃ髑髏の妖力が突風となって皆を襲う。
『その珠をよこせば他の奴らに危害は加えぬ(皆殺しにしてやる)』
やはり悪霊は嘘をつく
クラスにいた皆は突風に身体を持って行かれる。
あいつは窓から入ってきて教卓を持ち上げる。
奴が視えるのか山本汐里が恐怖に飲み込まれ固まっている。
鞄の中を探るが、宝珠をいれた袋が溢れてしまう。
先にあいつを止めようとし、教卓と共に奴を捕まえる。
『地獄に落ちるならお前も道連れだ』がしゃ髑髏は笑っている。
妖が見えない皆には 俺が机を持ち二階の窓から身を投げたように見えただろう。
小さき男の子(村岡君の弟)が宝珠を拾い僕に差しだす。
だが、遅かった。僕と共に落ちる。
晴明叔父さんが校門から走ってくるのが見える。
景色がスローモーションになる。
額が輝き、左手も光る。
九重郎……璃白……
小さき男の子の手を掴み、がしゃ髑髏の胸に突き刺す。
闇が宝珠に吸収されていく。
がしゃ髑髏の咆哮の残響も宝珠が吸い込む。
景色は真っ白になり、僕は意識を失った。
読んで頂き有り難うございます。
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