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化け猫の転生恩返し  作者: 日向彼方
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神遷し

題名を「化け猫の恩返し」から「化け猫の転生恩返し」に変更しました。

この小説も後半部分に入りました。

読んでいただけて有り難うございます。

 宗家の近くの神社に樹齢一五〇〇年以上の御神木となる老楠がある。

その樹に雷が落ちてかなり焼け落ちてしまった。

もう一つの老楠を御神木に代えて、切株となった古い樹は撤去しようという話になった。

ところが、新しい御神木に注連縄(しめなわ)を巻くがその日のうちに毎回切れてしまうらしい。

神事が行えないと宗家に相談がきた。

監視カメラを視ると大男が注連縄をちぎっている。

これを璃桜様が説明するが誰にもあまつさえ晴明にも視えないらしい。


 現場に行くと其処には小さな優しい顔をした白髪頭の老人神と鬼のような形相をした大男が座っていた。

老人神は玄白様、大男は玄黒様という御神木の神だ。

『玄黒もう儂の寿命が尽きただけだ。これからはお前が神となりこの辺りを守るのだ』

『玄白様がまだ生きていらっしゃるのに、それはいけません。まして若輩者の私が神などになれるはずもありません』

玄白様が居なくなってしまうのがとても寂しいようだ。

(いかずち)の落ちた御神木を視ると大半は焦げているが、反対側に可愛い新芽が出ている。

それを見た璃桜様が長いこと考え込んでいる。

晴明が状況を教えて欲しいという。


 璃桜様が電話を掛け、以前紅梅様で知り合いになった樹木医に相談している。

「今聞いたところでは新芽の出ているほうを生かせるようです。

残りで仏像……いやお地蔵様を作って頂けませんか?」晴明を通して神社の方に話す。

『小僧、何を考えている?』玄黒様が璃桜様を脅すような眼で睨んでいる。

「玄白様、東の森に遷られませんか?ここからなら近いし帰還点を置けばいつでもここに遊びに来れますよ」

『それはいい』玄白様が“ポン”と手を打つとその音の波が周りの木々に溶けていく。

返事のようにザワザワと周りの木々の枝が(しな)る。

「玄黒様、玄白様のような素敵な御神木の神になってください。玄黒様なら大丈夫です」

「妥協点を受け入れて貰えそうか?」晴明が不安そうに聞いてきた。

『玄黒や、この子の言うとおりにしようじゃないか。儂にもまだ猶予がありそうじゃ』

玄黒様も渋々頷く。

切株の一部を東の森の穴があった所に移す了解を東の森の鵺殿に得た。


残りの切株を掘り起こすと結構な大きさであった。

仏具を作るのに一年以上はかかると困惑していた。

作業中の男性が

「チェーンソーアートを趣味でやっているので、自分に地蔵菩薩を作らせてもらえないか?」と名乗りを上げた。

精魂込め丸二日掛かって出来た地蔵菩薩は素晴らしい出来で、玄黒様も玄白様も大満足だった。

その地蔵菩薩を玄黒様のいる新しい御神木の下に配置する。

根回し出来た元御神木の新芽も東の森に無事に移す事が出来た。

境内が少し寂しいが、広く綺麗になった。

もう少し玄白様が元気になったら帰還点となる地蔵菩薩に飛んで来ることが出来るだろう。


拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。

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