幽霊がいる家Ⅰ
【残酷な描写】事件・怪我等の描写があります。
まずはラップ音が酷いという正親の自宅の玄関の鍵を開ける。
すると、いきなり亡くなった女性が悪態をつきながら家の中で暴れている。
『殺された!あの男のせいで殺された!』
大きな声で叫んでいる。
璃桜様は女性を宥めるところから始める。
「そんなに暴れないで欲しいんだけど」
彼女がとても驚いた顔をして璃桜様を見つめる。
『あなた 誰? 私の事わかるの?』
「えっ!やっぱり誰かいるの?」
視えない正親が情けない声を出し、体を強張らせる。
「僕は璃桜って言います。そこの叔父さんの甥です。なぜここに居るんですか?」
『わかんない!殺された後、何故かこの家に吸い込まれてここから出られなくなったのよ』
「茜さんがいるの?」身体のでかい正親が恐怖に怯えた声で尋ねる。
『あなたの家なの?』
女性が正親に掴み掛かろうとするが、するりと通り抜けてしまう。
「茜さん?」璃桜様が尋ねる。
『それは源氏名、本名は垣田百合って言うのよ』
「本当の名前は垣田百合って言うそうですよ。やはり殺されたんだって」
「百合さん、犯人はわかってますか?」冷静に一正様が詰問を始める。
『勿論、リーダーの健斗達に決まっているでしょ』
「どうしてここに?」
『まったく解らないわ!でもこの人のせいで殺されたのよ』正親を指さす。
「どういう訳で?」
『この人は私に説教始めたのよホテルで』
「僕まだ小学生なんだけど……」
『えっと、「真面目になれ。悪い事すると地獄に落ちるぞ」って、何度も説教するの。
だからもう詐欺みたいなこと辞めたいって健斗に言ったの』
「叔父さん浮気はしてなかったの?」
正親に告げるとバツの悪そうな顔をした。
璃桜様は親族の前では心の耳の鍵を開かないと決めていた。
『私を殺した男達に復讐したいんだけど、なぜかこの家から出れないのよ』
「その男達が居る場所はわかる?」
『もちろん!事務所にいるはずよ。ノワールっていう店の三階にあるわ』
「まずは、証拠を集めてみないと」
「電話して反応みる?」おどおど話す正親。
『だめにゃぁ』
「公衆電話からのほうがよか!」意外に冷静な一正様。
「じゃ!『ここから出るよ!僕を掴んで』」璃桜様が言霊を使い家からでるが、
「しまった!僕から離れることが出来くなった?」
璃桜様の失態に我は頭を垂れる。
言霊は意外と強く璃桜様自身が取り消しても最低三日は離れることが出来なさそうだ。
無言電話で会話を引き出し、さらに幽霊に会ってもらおう
連絡係で連れてきた管狐の“鈴”を竹筒からだす
「鈴は人に変化するの得意だったよね。幽霊にも化けれる?」
『璃桜様のご命令なら、喜んで』璃桜様にむける笑顔が苛立たせる。
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。