継承の式 (桜子Ver)
今回のお話(桜子Ver)は璃桜の姉 桜子の視点で描かれています。
秋、その日に私の名が記された式神が残った。
これで決定となる。
その日のうちに宗家に家族で呼び出された。
私は気持ちに変わりがないことを伝えると、三日間山の上の祠で過ごすことを
言い渡された。
昔は一週間も籠ったそうだ。
祠から一歩も出てはいけない。
妖達が驚かしに来るが面白くないし、悪霊ほど怖くはない。
外にいる妖狐の”春“に時間が来たら起こしてと頼んで寝ることにした。
あっという間に時は進み四日目の朝自分で下山した。
皆が心配していたが、寝て過ごしたと話したら飽きられてしまった。
体を清め、髪を束ねる。
私はまだ神職ではないので、松に鶴模様の千早を羽織った巫女衣装を纏う。
意外だったのは儀式を執り行うのが最古参の妖狐“玉“であった。
私と向かい合わせで宗家である正装のお祖父ちゃんが目の前に座る。
神官と妖狐達が大勢並んだ後ろに父と璃桜も参列していた。
長い祝詞の後、かなり年季の入った三鈷杵を渡され儀式は終わる。
三鈷杵からは強い妖力が感じられ、私を守ってくれる感じがする。
ちなみに宗家は独鈷杵を新調していた。
驚くことがもう一つ
弟が誕生した。手に宝珠を持って……
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。




