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断罪
一ヶ月程経って璃桜様は森を訪れていた。
この森を統治する鵺殿が待っていた。
《 多少は良くなったが、これで終わりか? 》
「いや、責任をとってもらわなければいけない人が。もう少し任せてください」
廃棄された物には、医療関係の物が多くふくまれていた。
この辺りでは結構大きく有名な病院の名が書かれていたのですぐに判明した。
経営難になっていたとは誰も気づいてなかったらしい。
勿論、警察にも動いて貰う。
産廃の事件以外にも色々悪どいことを行っていたらしい。
しかし、医院長が逮捕の前に逃げ出した。
森に逃げたという証言もあったので探したが、見つからなかった。
「欲にまみれた人の悪意ほど底が知れない」
一正様の意外な言葉に皆が驚く。
『あいつはずっと闇を彷徨い続けるだろう』
低い声が森に響く。
森の奥では鵺殿が不敵な笑みを浮かべていた。
医院長はもう見つからないだろう。