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化け猫の転生恩返し  作者: 日向彼方
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プロローグⅢ

「ひばり様が目を覚まされました!!」

騒々しい声に目を覚ますと、妾は千部本様の腕の中にいた。

温かい腕の中は竜見様を思い出させる。

千部本様が何度も頭を撫でてくれると、心がすーっと軽くなった。

「コマ。ありがとう。孫の熱がやっと下がった。ひばりが助かった」

『良かったにゃ。けど、腹減ったにゃ』 (ん?何故にゃが付く?)

「そうか。今日は祝いじゃ。なんでも好きな物食わせてやるぞ。コマ」

『ちょっと待て! 今更だが(わらわ)の声が……話が解るのかにゃ?』

「おお、解るぞ! しかし……まぁ不思議じゃが、化け猫のコマならそれも有りかの」

千部本様は無邪気に破顔する。

それでいいのか……?まぁ 妾は腹が膨れればもう良い……

「そうじゃ!竜見様の神社も出来ておるぞ。いつか一緒に参ろうかのう」

驚いた、一滴の涙が零れた。

千部本様はまた優しく撫でてくれた。

きっとこの生活も悪くはないと思われた。


 目の前には沢山のご馳走!ガツガツと食べていると、いい着物を着た女が近づいてきた。

「お義父(とう)(さま)。何故汚い猫などが此処にいるのですか?」

とても不機嫌のようだ。

『千部本様 息子殿の嫁かにゃ?』

千部本様は軽く頷いて妾を抱きかかえると、屋敷の皆に

「この猫はひばりが元気になった日に我が家に来た。祝いの猫じゃ。

皆大事にするように!良いな!」

皆喜んでいたようだが、あの嫁だけは渋い顔をしたままだ。

『いいにゃか?』

「いいが……名が化け猫の“コマ”ではいかんかの?」

『そうだにぁ。コマは一度死んだのだ。新しい名を付けてくれるかにゃ?』

「ならば、“空”がいい。ひばりは空高く飛ぶのでしょう」

いつの間にか寝具から起き出した孫娘が、妾達の話に急に入ってきた。

『良い名だにゃ。しかし、ひばり様も妾の話がわかるのかにゃ?』

「お話出来る猫さんかわいい♡」

え――!ひばり様――!

「ひばりも聞こえるか!では名は“空”で決まりじゃな。わはは」

名が決まると、ひばり様と妾の間に見えない糸で結ばれし契約がなされたようだ。

軀中に痺れが走る。

―― これで良かったのかにゃ? ――

どうやら、千部本様と孫娘ひばり様だけに妾の声が聞こえるらしい。

また息子殿の嫁おたみが嫌そうな顔をしている。



拙い言葉の羅列ですが、読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると幸いです。

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