十一歳の誕生日(璃桜Ver)
今回のお話(璃桜Ver)は璃桜の視点で描かれています。
晴明叔父さんがいつもの儀式を行う。
なんだか今年はいつもより強い気がする。
かなり項がヒリヒリする。
一緒に暖かくなる額を両手で慌てて隠す。
しかし、この儀式のせいで僕の身長は伸びないんじゃないかと思う。
家族皆高いのに僕だけがクラスで前から二番目なのだ。
口の中でモゴモゴしていると、僕の肩を掴み
「君は妖の味方かい?」と晴明叔父さんが問う。
「そうだったら?」
「人に害をなす者なら……」
「処分なの?」
僕は振り返り叔父さんの顔色を伺う。
叔父さんが頭をかかえる。
言霊の事件から叔父さんが厳しい眼で見ていた事に僕は気付いていた。
「僕はどちらの味方でもないよ。叔父さんずっと僕を見てきたでしょ」
「ん?」
「僕は困った者に手を差し伸べたいと思っただけ」
「自分も怖い思いをしたのに?」
叔父さんが渋い顔をした。
「それに、僕は“姉さん”が大好きだよ。“姉さん”の力にはなるつもり」
僕は悪戯っぽい笑顔を作る。
叔父さんは苦笑いを作った。
五郎が誕生日の贈り物だと言って、今年は秋田のお土産“なまはげのお面”を持ってまたやって来た。
これで達磨などお土産は三つ目になった。
『彼奴これに念を込め帰還点の目印にしているにゃ』九重郎がそう教えてくれる。
「帰還点?」
『自分がいつでも戻れる場所だにゃ』
「そうなんだ」
しかし、どうやってお土産を購入しているのだろうか?
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。