保健室Ⅱ
璃桜様に先生の彼氏が妖に悪戯されていると話している時
ちょうど先生に彼氏から電話がかかってきた。
「俺やばいことに足突っ込んだかも」とスマホから情けない声が聞こえてきた。
璃桜様とアイコンタクトを取ると、先生が気が付かないように化け猫に変化し、
先生の彼氏の周りを探る。
このままでは彼はオレオレ詐欺に加担してしまう。
慌てて後藤刑事を璃桜様に呼び出してもらい、彼の説得を試みる。
時間をかけ過ぎてしまったのか警察が踏み込んだ時は隠し部屋には数人しかいなかった。
我が探し出したボスの矢田はすでに逃げて証拠も残してない。
彼氏は事件に巻き込まれる前に警察に協力したことになった。
問題は彼に憑いているイタチのような姿の妖だ。
この妖は人の足に取り憑いてその人の幸せを吸い取る妖怪だ。
両足に憑いている。最悪だ。
紅き右眼を開き退治しようとした時に璃桜様が我を制止した。
「助けてやるから『あのマンションの一二〇五号室の矢田という男に取り付け。
もうこの男性に取り憑くのはやめろ』」妖に言霊をのせ強く言った。
妖はコクンと頷くとマンションの方へ飛んでいった。
「天罰が起こるといいなぁ」
璃桜様がしれっと怖いことを言う。
そして、我に向い
「今回は異常に積極的だったな」と意地悪な顔で笑う。
『ただ優しい先生だから幸せになってほしいにゃ』
「ミルク目当てだろ?」
『……』
今日も保健室でミルクを貰い璃桜様を待つ。
彼だが、警察に協力したことで表彰も受け、就職も内定を貰ったそうだ。
プロポーズを受けたと先生が嬉しそうに我に語りかけてくる。
まだ貯金がないので、路地で売ってある一五〇〇円の指輪を貰ったそうだ。
先生はその指輪を大事そうに撫でている。
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。




