保健室Ⅰ
璃桜様を向かえに早めに行く。
この辺りの小学校は集団登校なので、下校の時間だけ我がお迎えに向う。
いつもは校門で待っているのだが、最近保健室の松田先生に捕まりミルクを貰いむぎゅむぎゅされている。
これが意外と気持ちいいし、ジャージーの牛乳とやらが頗る美味い。
授業が終わって璃桜様が保健室にやってきた。
「すみません。うちの猫がここにいるって聞いたんですけど」
先ほど璃桜様には念で『保健室の先生に捕まっている』と送っておいた。
「千義君の猫だったの?野良猫さんで怪我もしているみたいだし保護しようと思って」
「その怪我はもう治っていますよ。うちが保護したんです」
「そう……」声が残念そうだ。
「うちのは大丈夫ですが、他の猫にそんなミルクあげたらお腹壊しちゃいますよ」
「そうなの?気をつけなきゃ」
その後も我はミルク目当てで保健室で待つことが多くなった。
しかし、その度に同棲中の彼の愚痴を聞かされる事になる。
「いい人なの。いい人なんだけど何をしても上手くいかないの……」
交際中の彼氏は、本当にダメダメ男だ。
一度町で見かけた事があるが、彼だけの問題でもなさそうだ。
妖が悪戯している。
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。