浮遊霊・五郎
【残酷な描写】事件・怪我等の描写があります。
姉の桜子が中学の頃、修学旅行の長崎から憑いてきたのが、
この浮遊霊の五郎だ。
全国をうろうろと旅をしているらしい。
あれから一年に一度はやってきて、璃桜様にくっついている。
京都の神様に御加護を受けているらしく、結界も関係ないらしい。
勝手に家を歩き回り、璃桜様につきまとう。
「視える人間は結構いるが、幽霊と話しが出来る人間は珍しい」といって、
一度来ると一ヶ月ほど居座る。
何でも幕末の武士で仲間の裏切りで殺害されたらしい。
初めは色々聞いたし、色々話してくれたが、今では悪霊でもないので
もう家族皆知らないふりだ。
ただ左眼が傷ついた隻眼だ。それが気になる。
五郎の話では
―― 殺された時、恨みは無かったと……
しかし埋葬される時、『もっとこの先の世を見たかった』
そう強く思った。
すると、『もうしばらく納得がいくまで見れば良い』
と声がしたと同時に魂が空高く舞い上がった。
日本を世界を一周した。
いろんな物を見てきたが、
やはり、日本が故郷が一番綺麗だと尊いと思った。
戦は人が人でなくなる。
綺麗な夕日、美しい詩、優しい心
見たくない物も少なからずあるが、やはり此処が心落ち着く。 ――
ある日、璃桜様は五郎に「ついて来て欲しい所がある」と頼まれた。
拙い言葉の羅列ですが、感想をいただけると幸いです。