神様の岩Ⅱ
――の部分が璃桜の視点になってます――
―― 慌てて家に帰り晴明叔父さんを呼び、警察に通報してもらった。
色々警察には、伝手があるらしい。
後で聞いた話では、お千代婆様は玄関横の台所で倒れていて亡くなっていて、
もう五日ほど経っていたらしい。
話してくれている晴明叔父さんの目が何となく怖い気がした。 ――
一週間後、駄菓子屋に行くと岩の上で土地神様が手招きをしている。
久々に璃桜様と岩の上に登る。
『こないだはありがとうなぁ。礼をせねばなぁ』
璃桜様の額に神様が指をかざすと朱色の太陽印が浮かび上がり消えていった。
「これは?」
『悪鬼に負けぬよう御守りじゃ。大した力ではないが……』
「ありがとうございます」
額を擦りながら御礼を言う璃桜様だった。
晴明の五芒星より効きそうだと我は思った。
あれからというと、我らが駄菓子屋に行く日には神様が岩の上で待っている。
三人で岩の上で駄菓子を食べる。
その時には、神様が食べているように視えるのだが、しばらくすると
蟻がいそいそと菓子を運んでいる。
神様に言わせると、それは「何事も森羅万象の一つなり」らしい。
我には理解できないが、それでいい。
しかし、もう誰も水を撒く者はいない。
慌てて逃げることもない。
しかし、少し寂しそうな璃桜様と土地神様であった。
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