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化け猫の転生恩返し  作者: 日向彼方
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プロローグⅠ

初めてで何もわかりません。

みなさん宜しくお願いします。


【残酷な描写】殺戮・戦闘の残酷描写があります。


プロローグⅠ

 吾輩は猫である。 いや我が輩は化け猫の生まれ変わりである。

名前はある。令和現在の我が輩の名前は『()重郎(じゅうろう)』と申す。

そして、この小学生が今の主人(あるじ) 千義(せんぎ)()(おう)様である。


 時は遡り(さかのぼ)江戸時代の末期、(わらわ)は可愛い三毛猫の雌で名を”コマ”ともうした。

そして最初の主人は、(たつ)()又九郎(またくろう)様と言った。

竜見様は我が子のように妾を愛してくれた。

寝食を共にし、赤き着物の端切(はぎ)れをねじり妾の首輪としてくれた。

主人はとても才ある人であった。あり過ぎる故、妬まれた。

殿様も竜見様を妬んだ数多(あまた)の家臣の虚言に惑わされていた。

無能な殿に変わり鍋山藩を乗っ取ろうとしていると噂が立った。


ある日、竜見様が鍋山の殿様に城に呼び出された。

そして突然謀反(むほん)冤罪(えんざい)をかけられ切腹させられた。

謀反の事実などないのに、お調べもなく竜見家は早々にお取潰しになる。

母上が上訴したが、文は握りつぶされ屋敷からも追い出されてしまった。

竜見又九郎様の母君は殿への復讐を(わらわ)に強く願い自害した。

(わらわ)はその母君の願いを受け、天に向い慟哭(どうこく)すると尾が二つに裂けた八尺ほどの『化け猫』となった。

早速、殿に復讐するべく山上の城に向かった。

空を駆ける妾を視た藩内は大騒ぎになっていた。

山上の城前に着いた時、強固な門の前には篝火(かがりび)が明々と焚かれ、門番である二人の若侍と鍋山の家臣で剣豪と名高い大林の姿が見えた。

妾の強い咆哮(ほうこう)で三人とも恐怖に怯え、一人の門番は失神していた。

それで少しばかり油断した。

気が付くと咄嗟に立ち上がった大林によって妾は右眼を大きく傷つけられ瀕死(ひんし)の状態になった。

なんとか大林を踏み潰した(わらわ)は、まだ剣を握る若い門番の千部本(ちぶもと)の前に辿り着いた。

「その門を通して欲しい。妾の復讐遂げさせてくれれば、

  ()(()()())()()()()(()()()()())()()()()()()()()

殿を倒す最期の力を残したくて、そう懇願した。


千部本は妾を見上げ恐ろしく動けなかっただけかもしれなかったが、かすかに頷き門柱の結界の札を剥がした。

妾は主人の復讐を遂げるためにその門を破り中に進んだ。

篝火(かがりび)(みち)を進み、城中の殿の部屋に飛び込んだ。

城中の家臣は恐怖に怯え動ける者が一人もいない。

妾は殿を殺そうと思っていたが、殿を動かしていたのは別のものであった。

殿の背後に、数多の戦で死んでいった侍・民の怨霊・悪霊が群がった黒い影が()えたのだ。

妾が苦悩に泣き叫ぶと切られた右眼が見開き、半分ほどの悪霊が血の色に染まった妾の右眼に吸い込まれた。

熱い!(からだ)が熱い!色々な悲しさと怒りが妾を攻める。

妾は断末魔の叫び声をはいた。


残りの黒い影は小さな屑になり、散り散りに逃げていくのが視えた。

妾が覚えているのはそこまでだ。

そこで、最初の命は尽きたのだろう。


拙い言葉の羅列ですが、読んで頂き有り難うございます。

感想等いただけると幸いです。


一尺=30.3cm 八尺は、およそ2m40cmになります

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