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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
人と「花」との交渉
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決着

(ほう、流石は雌花と雌花が認める人間と言ったところか。面白い案だな。)


 早速、ケリンがおじいさまと会議参加者全員に声かけをする。影響が一番大きかったのはおじいさまであった。何しろ当本人が雌花は貴重で重要と言っているのである。マイの意見を全部拒絶…は出来ないのであった。それに、子供達が餓死をするというのは見たいとは思わない。


「おじいさまは我々の拠点がらある程度離れていればそこを元に我々と交流する場を設けても良いそうだ。今、我々は食糧難に追われている。それをその交流の場で解決…は無理でも改善してくれるという条件であれば…人間共が我々に害を催さない限りで開拓を許可するということだ。」

「え、おじいさまがそんなことを?!」


 12歳の少女はびっくり仰天であった。とはいえ、何度も言うが最終決定権はおじいちゃんである。おじいちゃんがそれで良いとなった場合は下手に曲げる事はできない。


「でもでも…僕もそうだけど、人間と関わりたくないお兄ちゃんや弟も一杯いるよ?大丈夫?」

「ちょっと待っていろ。」


 ケリンが更に叔父に問い合わせる。その結果、おじいちゃん近傍に近づいた人間は駆除するからそこの中にいれば問題ない。あるいは、街道からある程度離れれば問題ない。その街道を外れ森に入った人間は全員食い殺して良いと言う条件ならばどうだと返答が返ってきた。実際マイも街道のそばに住んでいる。森に入ってきたり夜間活動したりしていれば警戒したり攻撃する。それでマイは今まで平和であった。ならこっちも大丈夫ではないか。マイの生活についてちょっと聞いていたおじいちゃん木はそう考えていた。


「おおーと言うことは僕は人間さんと色々お話ししてみたい!」


 6歳の女の子…雄花ではあるがは大はしゃぎであった。


「費用面は大丈夫なのか?予算はかなりきついんだが…。」


 家臣は伯爵に問い合わせる。


「そこはどうなんだギルマス。ハンターからも出せるか?」

「許可が降りてルートさえ決まれば依頼として出す事は出来る。確かに魔物使いの登録では穴を掘る事ができる魔物もいたはずだ。指名依頼として出してみよう。」

「すまないな。負荷をかけることになるが。」

「大丈夫だ。長年の付き合いというのもあるだろう。ハンターが犠牲になる様な依頼に比べればこんな事は朝飯前だ。」


 最も働くのはギルマスではなくハンターなのだが。勿論、ハンターはあくまで魔物の駆除等がメインである。街道の舗装とかはそれ専門がやる。とはいえ方針は決まったのであった。


「俺も手伝える範囲であれば手伝おう。というより、お前らが開拓中に俺らの住処に土足で入られると困る。俺も含め案内人を出すからそれに従ってほしい。従わなかった場合、命はないと思え。」


 ケリンというよりおじいさん木は仕事が増える。要は人間が開拓する範囲にいる…或いはそこ近傍にいる子供達に移動かこのエリアにいる人間は襲うことを例外で禁じるということを伝えなければならない。まあ、伝達網は植物に話せば後は勝手にやってくれるのでそんな負荷があるものではないが。と言うことで会議はおおよそ完了した。開拓予定の森に足を踏み入れる際は森に叫んでくれれば誰かしら向かうという連絡手段も作成。いよいよ開拓が始まるのであった。


「マイ。感謝する。」


 ケリンは会議が終了後植物経由でマイに連絡した。最も当本人は寝ているので気づかなかった。まあ、マイの本音は二度と私に関わるな!だろうが…。まあ言わずもがな、絶対に関わることになるのであるが…まあそれは未来の話である。一応補足だが、シュウの発想とマイの機転が今回の全面戦争から開拓問題から全部解決の糸口となっている…で、誰からも褒められず、報奨金とかも0である。現実とはそんなものであった。


「ねえ、聞きたい事があるんだけど良いかしら。」


 会議が完了し、馬車に乗って雄花3匹を街の外へ導いている時にムサビーネ夫人がケリンに声をかけた。


「なんだ。開拓の話は既に決まっている。ここで何か言われても困るのだが。」

「いいえ。それとは全く関係ないわ。私は魔物を飼うのが趣味でね…で、別にマイはシュウの魔物だから私が世話しているわけじゃないけど…マイは貴方達と同種とか言っていた様な記憶があるけど、何か違う感じがするのよ。ほら、花の色や身長は各々全員違うから個性と思えるんだけど、花の形がマイと貴方達3人は違うと思っていてね。」

「ああ、言わなかったか?俺らは雄花、マイは雌花だ。人間の知識にもそれぐらいあるだろう。だから形が違うのは当然だ。」

「雄花と雌花ね。確かにそれなら納得出来るかしら。」

「その件で一個追加しておこう。人間にはわからんと思うが、俺らの種は雄花に対し雌花が物凄く少なく希少な存在だ。マイがこの街で生活することに俺らは何も言えないのだが…万一マイに何かしらあった場合、俺ら総出でこの街を潰しに行く。覚悟しておくんだな。」

「…わかったわ。」


 会議で全員疲れている状態である。ムサビーネ夫人も例外ではない。これ以上追及するのは止めておこう。そう思ったのかもしれない。とりあえず、このような会議後の後処理と言った形で今回の事件は幕を閉じるのであった。

 雄花拠点襲撃事件はこれにて終了です。想定より滅茶苦茶長くなってしまいました。次は何だったかなぁ…結構昔に書いた内容なので詳しく覚えていないんですよね。。。

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