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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
人間の立場と魔物の立場
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捕虜

「それでどこへ向かうんだ?」

「うん?さっき私が1人ハンター捕まえたでしょ。そいつを人質に取る。」

「え?」

「まあ任せてください。私なら多分出来ます。」


 彼を捕まえた場所は他の人間からかなり離れたところだった。おそらく、攻撃部隊ではなく偵察部隊である。でなければ1人でのうのうと歩いていたりしないであろう。そのため、私たちの味方にしてしまえば色々やりやすくなるのではないか。私はそう考えていた。シュウ君がいたから私は街中を好きに動ける。それを応用するのである。


「良いですかケリンさん。何があっても、例え相手が挑発してきても絶対に手は出さないでください。向こうが先に攻撃してきたら別ですが…人間って魔物と違って、先に手を出すとそれを掘り返してぐだぐだ言って来ますので。それは避けないといけません。」

「わかった。」


 そして、ツルで縛り上げた人間の元へ降り立つ。


「た…助けてくれ…頼む…」


 人影が見えて私たちの存在に気づいたのか、うめき声が聞こえてきた。


「あ、今助けますが…これなんだかわかりますか?」


 私は左腕にあるリストバンドもどきを見せた。


「それは…君は誰かの魔物なのかい。というより、魔物が喋っているのか?」

「まあそんな感じです。貴方はデレナール領のハンターでよろしいですか?」

「ああ。そうだ。」

「なら話は早いです。あそこに受付嬢のミサさんがいますよね。」

「ああ。」

「あの人から依頼されたんです。ここの奥に何があるのか。根っこの正体とか色々調べろと。」

「…あれか。要は魔物のスパイとして乗り込んだのか?」

「うーん、半々かな。とりあえず、何が起きているのかはわかりました。これ以上奥に行くと、貴方も木の根っこの射程範囲内です。とりあえず救出しますので、出来るだけ早急にハンター達の撤退を依頼したいです。私も付いていくので。」

「し、しかし…それだと依頼失敗で違約金が…。」

「予め言っておきますが、この依頼は理不尽だらけです。まず、今ハンターが敵対している根っこですが…そこいらの人間ではまず不可能です。違約金払うか命捨てるかの二択になってしまっています。」

「そんなに強い魔物だったのか?」

「ええ、それでその強すぎる魔物の子供を連れて来ました。やり合うだけ無駄なので会話で処理したいと思いまして。」


 私は後ろを振り返った。そこには大人の姿をした私そっくりの魔物が立っている。まあ、顔の形とかは若干違うのであるが…。


「どういうことだ?」

「そのまんまです。私は魔物使いにテイムされていますが…私も知らなかったのですが…どうやらこの奥には私の同種が住み着いていて、その親玉が子供を守るために戦っているのです。私の記憶に狂いがなければ…人間と会話出来る魔物は知能が高くて強力なんですよね?人間達はそれを敵に回そうとしているのです。このまま仕掛け続けたらドラゴンとやりあうのと変わりませんよ。」

「………」


 ツルで縛られたハンターは考え込んだ。まあ、考えるまでもない。こんなに美味しい情報かつ危険な情報を得られたのである。早急に報告した方が良い。自分の手柄のためにも仲間も命のためにも。まあ選択肢などないのであるが。


「わかった。報告しに行きたい。とりあえず、このツルを解いてくれないか?」

「ええ。私たちも付いて行って良いですか?あ、当たり前ですが…私は魔物使いの魔物です。攻撃したらギルドに報告します。後、わざわざ、襲撃されている側の1人を説得して連れて来たんです。要は魔物達の証言者です。同じく手荒な行為は止めて欲しいです。私がここまで頑張って漸く説得できたんです。この努力を破壊したら許しません。」

「ああ、心得た。」


 ということで、1人のハンターを解放する。そのハンターが付いてこいというので私たちはついて行く。植物の情報的に向かっている先はハンター達の拠点。どうやらちゃんと事情を理解してくれたらしい。


「マイ。本当に大丈夫なのか?人間がどうなろうが俺はどうでも良いが、貴女が傷つけられるとなると私も手を出さざるを得ないんだが。」

「大丈夫です。人間達のルール上、これをつけている限り私に攻撃できません。」


 私は左上のリストバンドもどきを見せつけた。


「なので、ケリンさんも言葉で主張するのは構いませんが、絶対に手は出してはいけません。会話で何とかしようとしているのに、手を出されてしまったら元も子もありませんので。」

「善処しよう。」


 そのままハンター達の拠点に入った。私達は勿論案内人の後ろについて行っているので攻撃されることはない。なんか変な目で見られるたびに左腕の腕輪を見せつけていた。まあ、一応だが、私もケリンも上半身は半裸である。ブラジャーもどきの葉っぱは付いてはいるが…。私はまさか人間と関わるなんて考えていなかったので服だけは自分の拠点に置いて来てしまっていた。とりわけ私の場合、胸に多少ではあるが膨らみもある。そのため違う意味で目立っているのであるが…。第一私は10歳ぐらいの女の子。ケリンも20歳ぐらいの胸がまな板な女性。周りからは熟練したハンター以外そのように見えるのであった。

 私はどうも、どんちゃん騒ぎをするような文章を書くのは苦手みたいでして…本格的にやり合う内容は少なくなるかもしれません。。

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