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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
同位種からの警告
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「花」と植物の関係

(何とか逃げれたかな。)


 その時私は背後から誰かにホールドされたのが分かった。


「お姉ちゃん捕まえたー!」


 何と、逃げた先の木の幹にシュウ君が待ち構えていた。


「え?!」


 ちょっと待って、聞いていない!いや、この聞くと言うのは誰かではなく植物である。私は植物達の声を頼りに子供がどこから襲ってくるのか或いは何処にいるのか状況判断していた。


「ちょっと、どう言うことよ!」

「お姉ちゃん?僕の勝ちだよー!」

「あ、シュウ君じゃなくて植物達の方。」

『だって姫様、シュウ君に捕まったときいつも嬉しそうじゃないですか?』

「む、うるさい!」


 既に気づいていたというか知っていたことなので、今回は完全に私の判断ミスであったのだが…ここの孤児院の植物連中は時折私ではなくシュウ君に肩を持つことがある。一種私が恐れていることが具現化しているのである。例えば森の中で植物が私を裏切ったとしよう。その場合、私は魔物との距離を把握出来ない。あるいは嘘の情報で攻撃場所がズレる。即ち危険な魔物にエンカウントし即死である。要は私は植物の魔物であり、植物と共生しないと生きていけないのである。そしてここの植物はよく分からないが…取り敢えず…今回の様な鬼ごっことかの場合シュウ君の場所だけは教えてくれないのである。それ故、初めの頃は鬼ごっこにおいて勝てないことが多かった。気づいたらシュウ君がいたりして急ブレーキをかけてしまい、他の子に捕まってしまったり…今回みたいにシュウ君の胸の中へ突っ込んでしまうこともあった。なお、シュウ君が私を捕まえた割合は全体の40%程。明らかに他の子より大きい。そう言った経緯があるのであるが…


「あー、今日お姉ちゃん捕まえたのはシュウ君かー。」

「まあお姉ちゃんの魔物使いだからお姉ちゃんに一番詳しいよねー。」

「いいなぁ。僕も魔物使いになって魔物作るー!」


 とまあ、子供には色々誤解されているのであった。


(うーん、別に今すぐ私の命に関わることじゃないけど…万一を考えて植物依存の生活も見直さないとやばいかなぁ…)


 マイは勿論知らないが、第三者目線で見るとマイが他の子供に捕まった時にはかなり機嫌が悪そうなのに対しシュウ君に捕まった時は逃げ切った時より何だかんだで機嫌が良かったりするのである。植物達はそれを理解し敢えてシュウ君がマイを捕まえれるように違和感がない範囲で仕組んだりしているのであった。あくまで植物にとってマイは『姫様』。命に携わることに対しては裏切ることなどするわけがないのであった。


(先日からカウントして3連勝にはならなかったなぁ…もっと昇進しないとなぁ…)


 一応であるが、マイが孤児院に来た時必ず鬼ごっこというわけではない。縄跳びとかだるまさんがころんだとか色々やっている。まあ、大体がマイの修行のため若干アレンジされていたりするのであるが…。孤児院の子供との触れ合いはある意味でマイのやりたい放題だった。


「はぁ…まあいいわ。じゃあ、お昼時だと思うし皆んな孤児院に帰りましょう。」

「はーい!」


 皆んなを孤児院に誘導していく。…私いつから孤児院の先生になったんだっけ?私見た目10歳の女の子だよ?第一、お金貰っていないよ?この後は昼食である。私は別に先生でも孤児でもないので昼食は準備されていない。まあ、植物だから食べる必要性もないんだけど。私は外に残り、日差しを浴びて光合成をしていた。流石に服を脱ぐと色々なところからクレームが来るので森の中以外脱ぐことが出来ない。ただ、帽子は外して光合成していた。私の髪の毛は緑色。葉緑体を含んでいる。肌は肌色なので葉緑体はないと思う。まあ、要は帽子を取らないと髪の毛から十分な光合成出来ないのであった。


『姫様。お疲れのところ失礼します。』

「うん?まあ、さっきは良い運動したし疲れているけど別に大丈夫だよ。」

『そうですか…では単刀に…姫様へ伝言を承っております。お返事をお待ちしているとのことです。』

「え?」


 私へ伝言?意味が分からない。まあ、どこかの誰かが植物に話しかけ私に伝えろ…とかなら100歩譲って出来ると思う。ただ、返事というのは意味が分からない。相手は植物と会話出来る。要はそういうことである。

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