可愛げな少女の実態
「そう言えばミサさん。今日解体場でミサさんがあの魔物と何かをしていたと連絡が入っておりますが…それも何かしていたのですか?」
「え、ええ。お耳に挟んでいるのであればある程度ご存じかと思いますが…まあ、マイさんはツルを使って獲物を捕食出来るみたいですね。人間を襲う気は無いとか言っていましたが、やろうと思えば人間も食べることが出来そうですよ?今日の行動を見ている限り。」
「そうなのかの?あの体格じゃぞ?」
「作業員の話ではかなりの強度の酸性を使って溶かしているみたいです。解体に使っている機材でマイさんが捕食した残骸を調べていたのですが…駄目になったと聞いていますし。」
「捕食?」
「ちょっとした話題になってですね…まあ、要は彼女は植物のはずなのですが…口からもツルからも生き物を摂取出来るみたいです。食虫植物とかいるじゃないですか。あれが魔物になったと考えても良いかも知れません。ただ、食べれる相手がそこらへんの虫ではなく人間や他の魔物さえも取り込めそうという認識ですね。」
「なるほどのぉ。あの容姿じゃからそこまで危険な魔物とは見当もつかないのぉ。」
「まあ、マイさんのことです。シュウさんのこともありますし、初めに言った通り花について刺激しなければ大丈夫かと思います。とはいえ、今日あの様な事件があったばっかりです。馬鹿なハンターが手を出さないように見張っておく必要性はあると思いますよ。マイさんが危険に晒される…のも困りますが、こちらも危険に晒されます。」
「分かった。他に何かあるかの。もう大分遅い時間じゃ。」
「私からは以上です。あ、強いて言えば今日だけでこれだけ調べたんです。給料アップとかありませんか?」
「ガメツイのお…じゃからお主はいつまで経っても給料が上がらぬというのに。」
「成果分は報酬くださいよ。今日だってなんでここまで残業しなければいけないんですか?」
ミサさんは上司に対しても食って掛かる人間なのであった。