魔女の実力
『姫様。そろそろ見えると思いますが…いつもより手薄に見えます。』
『姫様。大丈夫か?そいつそんな強くなさそうに見えるぜ?』
「いや、彼女は下手に刺激すると私が灰になるから。」
「そんなことしないわよー。」
バーンと音がなると何かが私の横を掠め後ろの木にぶつかり燃え上がった。
「おい、殺す気か!」
「ごめんごめん手が滑った。」
燃えた木から断末魔が聞こえ、回りの植物は全員黙った。何かを言ったところで魔女には聞こえないが、私が反応して犠牲が出るのを恐れたのかもしれない。森の中のため他の木にも燃え移っていく。
「アユミさん。山火事になりそうです。」
「あ、ごめんごめん。」
そして何故か私に水が降ってきた。私は怒りのパラメーターが上がっていく。補足だが、魔女は私に向けて水は放っていない。消化器の水のように魔女の魔法陣から水が飛んでいき木々に水をかけているだけである…魔女のことなどでもっと効率が良い方法はありそうなのだが…。そして、その飛んでいく水のルートが何故か私の頭上のため水が降ってくるのである。しかも、木々にぶつかった水が私の方まで跳ね返ってくるという事象も含めであった。
(後でこの魔女シバこう…)
何度も言うが、どんなに怒り狂っても私は魔女に勝てない。返り討ちで殺されるだけである。しばくことなど出来ないのであった。それよりも翼の音と唸り声が聞こえてきた。敵の襲来である。
(久し振りか始めてみたか…どっちにしても鉢合わせだけはゴメンなのよ…)
空中から突っ込まれても何かを放たれてもとてもじゃないが耐えれない。だからツルによるトラップで対抗するのであるが…魔女任せと言うことがあり心配であった。
「ギャオオオー」
ワイバーンは私に狙いを定めると所謂火炎放射を放った。私はすかさず目の前に太さ30cm級のツルを何本も放ち盾にする。ツルは生きているため早々燃えないが…火力が尋常じゃないので焦げ臭い匂いがした。その時爆発音がした。
(くっ!!何?!)
空中で爆弾が爆発した勢いである。爆風が森を襲う。私は目の前にツルの盾があるため爆風を直撃受けることがないが…それでも爆風で転倒してしまった。
(イタタタ…)
回りを見ると、魔女は空を見ていた。そして何かを放つ。巨大な落雷音がして暫くすると何かが落ちた音がした。
「なんだー。ただの雑魚じゃない。マイちゃんさ、もっと強いの持ってきてよ。つまんないじゃん。」
「お前が一番危険じゃボケ!!」
私は悪態をつきながら立ち上がる。ワイバーンは燃え上がっているらしい。ツルを全て解除すると、焼け焦げたワイバーンの死骸が転がっていた。
「もっと手応えあるのいないの?ドラゴンとかさ。」
「こんなところにドラゴンいたら私はすぐ引っ越しますよ。死んじゃいます。」
「実験材料って意外に弱い?」
「魔女基準にしたら全部雑魚です。ワイバーンじゃなくて魔女に殺されるかと思いましたよ。見境無すぎです。」
「良いじゃん良いじゃん、結果オーライ結果オーライ。じゃ、ありがたく頂くね。若干燃えちゃってるけど、マイちゃん何かした?」
「自分の心に問い合わせろ。」
私は取り敢えずこの魔女がこの森で一番危険であると判断することにした。これに至っては満場一致だろう。
「はぁ。疲れたわ。」
「お疲れ。」
「誰のせいよ。てか、ここで分解するの?持ち帰れば良いじゃん。」
魔女は転移魔法が使える。それぐらいの荷物転移魔法で持ち帰れるはずである。
「良いじゃないー、暇なんだからさ。もっとしゃべりましょうよ。世間話とか。」
「私この森で光合成しかしてないので世間も何もないですよ。」
「寂しい子ね。また人間と関わるとか、魔物達と仲良くなったりとかさ、しないの?」
「どっちも襲ってくるから嫌。」
「そういう時は力で従えさせるのよ?」
「貴女じゃないから無理!」
私は魔女じゃないのでそこまで強い魔物じゃないのである。その時植物から連絡が着た。結論から言えば暇潰しにはなるが荷が重すぎた。
読者が求めるキャラ像はアユミさんですよね。マイちゃんじゃなく。・・・アユミさん初見は面白いですが、長くみていてこれだけチート持っているキャラ見ていて飽きませんかねぇ。。




