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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
教国での食糧調達(その2)
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教国も治安が悪いらしい

(はぁ…私はもう限界。シュウ君良く出来るわね。)


 私は人間植物問わず聞きまくれば気疲れで崩壊してしまう。初めは私が一生懸命だったが…私が疲弊してからはシュウ君がお店に人に聞いて買い物をしていた。やはり、対人になると結局シュウ君の方が私より何倍も上手であった。


「お姉ちゃん大丈夫?」

「うー、きついわね。精神面もそうだけど…人間の住みかって地面がダメなのよ。」


 私は唯でさえ光合成で生きてるのに帽子やら服やらで抑制されてしまう。それに人が歩き固めた土や舗装された足場では養分が吸収出来ない。人間の土地は私にとって地獄なのである。


「分かった。じゃあ、これ買ったら戻ろうかなぁ。教会のお庭ならお姉ちゃん休めるかも。」

「それでお願い。」

『姫様。ご忠告よろしいですか?』

「うん?」

『どうやら人間につけられているようです。』

「はぁ、マジか。」

「お姉ちゃん?どうしたの?」

「やっぱり私達目立つみたいね。子供が大金持つのは良くないわ。シュウ君、私達を狙っているやつがいるみたいだけどどうする?私のツルが刺せる場所さえあれば全員とっちめるけど。」


 シュウ君は歩きながら考える。私は警戒心が物凄く強い。前世ではそれが原因で色々心配しすぎて鬱になっているが…今世で、森の中生活の時は狙われていそうイコール問答無用で処刑だったので楽だったのである。しかし、人里でそれは出来ない。人間社会では疑わしきは罰せずである。先に手を出したらアウト。ただまあ、このルールが原因で大抵悪人が善人を始末した後、場合によっては罰せられて問題解決が人間社会。被害者は肉体的か精神的かで崩壊した後にようやく回りが動くと言う有り様。回りでさえも収入のためにでっち上げて動き回るのである。だから私は人間が嫌いである。


「うーん、お姉ちゃん。その人達って悪い人なの?」

「植物の話だと、所謂泥棒の分類らしいわ。」


 植物は色々な情報を持ってきてくれるから分かりやすい。ただ、植物がなんと証言しようが人間には通用しない。これも面倒くさいところである。悪用されて連れ去られそうになったこともあるし…。


「じゃあ、あれ…お姉ちゃん引き続き確認出来る?」

「出来るけど…放置するの?私は遠距離射撃だから鉢合わせたら対応キツイわよ?」

「うん。だから合わないようにする。」

「………」


 シュウ君は時折頭がキレる。私は心配で仕方なかったが…警戒を解かずそのままシュウ君に着いていくことにした。相手との距離は余り変わらないが…私はシュウ君の行動を見て「この子天才か」と思っていた。


(人気の多い道を故意的に選んでいるのかしら。確かにこれなら狙われる可能性を抑えれるわね。)


 相手が犯罪のプロでも白昼堂々襲うなんてことは出来ないだろう。相手はこちらの隙を見てるはずである。しかし、人混みが多い道を歩けば襲いようがない。


『姫様。やはり、子供にしては色々買っていると言うことで目を付けられてるみたいです。恐らく人目が減ったときに狙ってくる可能性があります。』


 厄介なのは、教会に向かう途中…数ヶ所そのような場所があり得るのである。諦めてくれれば良かったのであるが…相手も良いご馳走であると諦めない様子。


「お姉ちゃん。この先細道なんだけど…どうしよう。」

「そうね…その道だと奇襲されたら終わりよ。ちょっと植物達に迂回ルート探させてみるね。」

「うん。ありがとう。」


 遠回りではあるが…安全ルート第一であった。それでもいずれ何処か細道を通らないといけないらしい。


「シュウ君。若干遠いけど、畑道を通って貰っても大丈夫?人気がなくて奇襲されるぐらいなら私にとって最適な場所で迎え撃つ。」

「畑道ってどれぐらい?僕疲れて来ちゃった。」


 シュウ君は買い出しした後と言うことで荷物が重い。流石にデレナール領からここへ来る途中に持ってきた物は今は持っていないにしろ、それでも重いはずである。


「後100mぐらいかしら。何なら畑道手前で一回休む?その間戦略考えとく。」


 と言うより休んでいるときは格好のエサだろう。ただ、私は魔物。シュウ君がへばったぐらいで私は関係無い。奇襲は容易い。


「うん。ありがとう。」

「あ、だったらシュウ君囮役で。大丈夫。指一本触れさせないから。」

「分かった。お姉ちゃん、信じる!」

「よしよし。」


 とのことでシュウ君も一通り撫でたので、シュウ君が休憩している間に私は側にあった家の物陰に隠れた。そばが畑のため情報は全部流れる。今は冬の時期とは言え、草ぐらい生えてるからね。敵は一人を狙うはず。更に、私は植物の情報網付き。シュウ君でなくこっちに来たら逆襲も可能であった。


「はぁ。疲れた。お姉ちゃんは全然疲れて無さそうだったし…やっぱりお姉ちゃんはすごいなぁ。」


 蛇足だが、荷物は大抵シュウが持っていた。マイはツルを使えば強いが本体は雑魚なのである。10歳の特に鍛えていない男の子にすら勝てないのであった。これであの雌花が凄いと言えるシュウも自己肯定感が低いのであった。

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