主人公補正?そんなものありません。
「ねえお姉ちゃん。」
昼食後私達は食料調達に向けて出発した。終わったら教会に戻るようにアポイントは取ってある。
「うん?」
「聖女様大丈夫かな。何か辛そう。何か僕たちで出来ることない?」
と言われてもなぁ。シュウ君も聖女ではないが時折優しすぎる時がある。どうしてこうなってしまったのだろう。私何かしたかなぁ。
「うーん、冷たく言い返すなら…何が出来る私達に?」
聖女と言う立ち位置は私には良く分からないが…教国換算で貴族とかと立ち位置があまり変わらないのであれば、日本換算で国民一人が国会に乗り込めるぐらいの影響度である。
「私達はただのハンターと魔物なのよ。それが国を動かす連中に何の影響を与えれますかと言う話。シュウ君ムサビーネ夫人のやり方にケチ付けれる?」
「………」
ムサビーネ夫人は伯爵夫人。更にぶっちゃけめちゃくちゃ怖い人間である。腕っぷしではなく性格的に。
「だけど僕、困っている人を放っておくことは嫌だ。僕が困ってるときお姉ちゃんが助けてくれたから僕は生きれてるんだし…だったら尚更助けたい。」
「うーん。そう言われちゃうとなぁ。いや、思いは素晴らしいんだよ…ただ、それを全部やろうとすると無茶よ…限界があるし。」
なぜか私はシュウ君を撫でながらそんな風に返答していた。予めだが…食料調達のため2人とも移動中である。人もまばらに通っている。マイにはどうやら魔物になったのが原因かそう言ったプライドらしいものは無くなってるらしい。
「一応私は貴方に従う身だからしたいことがあったら命令はして良いわよ。無理なら無理とは言うけど。」
「うん。お姉ちゃん、ありがとう。」
「まあ、独り言だけど…強いて言うのであればね。」
「うん。」
「キャシーさんは能力的には知らないけど…性格的に聖女は向いていないわ。優しすぎると言う意味で。うーん、逆に聖女様だから優しいとしてもあれじゃ可哀想。運命とは残酷なものね。能力で全て決められてしまうんだからさ。」
「………」
2人とも思い思いの考えを持ちながら市場がある方向へ向かっているのであった。
区切りが悪いので今回は少なめで。