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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
遥か彼方への遠征
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初冬の山って超えること出来るのかな

「うーん。お腹がすいた。」


 移動して数時間…既に数百キロは移動しているだろう。シュウ君が根を上げた。


「今度はなんだ。」


 フェンリル様は自分の思った通りに事が進まずイライラしているようである。


「フェンリル様。シュウ君は人間です。食べ物を食べないと弱ってしまいます。」

「ああ、成る程。お前達はどうなのだ。」

「私は光合成さえ出来れば…」

「ボクはまだ平気だけどー、水があると良いかなー。」

「うむ。では一度休憩するか。」


 ここは何処なのだろう。どこかの山の中である。


「お、お姉ちゃん…寒い。」


 季節は秋が過ぎている。大分標高も高くなってきていた。植物は未だ生えているが…まだ登るらしいし、私も心配になってきた。


(私は人間とは違って体感温度は感じにくいんだけど…暑すぎれば燃えちゃうだろうし、寒すぎたら枯れるわよね…)


「シュウお兄ちゃん貧弱だなー。」

「アースは平気なの?」

「基本ずっと森の中だからねー。慣れだよー。」

「慣れかぁ。私は植物だからそこら辺鈍感なのよね。ある意味怖いけど…ただ、シュウ君は人間だから。」


 私の体の構造にはいくらか突っ込みがある。寒暖に気付きにくいもあるが…食べ物を取り込んだときも上限に気付きにくい…場合によっては制御できず花から蜜が漏れてしまう。漏れたら人間換算でおむらししたような不快感に襲われるのだが…アラートがなるのが遅すぎると言う課題があった。


「取り敢えずシュウ君は持ってきた荷物の中で暖を取れそうなものを羽織って。」

「う…うん。」


 元々、フェンリル様の速度が原因で体感温度は下がるのである。植物の魔物である私や神獣や妖精と違い、ここら辺は人間の弱点であった。


「食事を取るのであろう。であるならば早急に実施したまえ。その雰囲気的では今日中に登りきってある程度下山してからの方が良かろう。」


 私自身、ちょくちょくフェンリル様の印象が変わりつつあった。いや、ただの狂犬だと思っていたが…ちゃんと弱いものに対しての心遣いが出来ているのである。ある意味強すぎるがゆえの余裕なのかもしれない。


「アース。植物の話によると、乗り越える山は普段の貴女がいる場所より更に標高が高いらしいわ。木々もかなり少ない。草程度なら普通にあるらしいけど。寒さ大丈夫?」

「うーん。どうだろう。行ったこと無いからなぁ。そんなところ。マイお姉ちゃんは?」

「私もないわね。すぐ抜けるのなら平気かしら。」


 針葉樹林とかでは氷点下でも冬は乗り越えられる。広葉樹凛でさえ、葉っぱが落ちる程度で死んだわけではない。取り分け、今日一日さらっと通るだけなら大丈夫ではなかろうか。


「お前らは余裕だな。そこの小僧は幾度も服を着込んでいる。我も毛皮があるが…お前らはそこまで薄着なのか。」


 シュウ君が食事中のため全員休憩だが…私は全裸で光合成していた。アースは特になにもしていないが…彼女は茶色いミニスカート…パンツが見えるか見えないかレベル…に上に至っては、茶色い布に穴を空けて頭に通しているような服装…その長さも胸を隠す程度なのでありお腹は見えている。(はた)から見て初冬(しょとう)の季節でしかも山の中にいるような服装ではないのであった。


『姫様。魔物が姫様のお花に感づいた様です。』

「あー、魔物か。」


 普段私が移動するときは植物と会話しながらである。その為、魔物がくればすぐ気づく。しかし、今回に至ってはフェンリル様がとんでもない速度で飛ばしているため…私の余裕もないが…植物と一切会話していなかった。それでも魔物とエンカウントすることがないのである。いや、フェンリル様のことである。魔物がいてもかわして来たとか平気で考えられるが…今は休憩時間。森の奥深く。しかも、私の頭の天辺(てっぺん)より左側についている顔の半分程度の大きな花は、強烈な匂いを放ち魔物を寄せ付けるのであった。今は光合成のため脱臭効果が付与された帽子も取ってしまっている。余談だが、フェンリル様も白銀狼のシロ同様私の花の匂い程度で理性を失うことはないらしい。まあ、フェンリル様は空気中の魔素で生きているらしいので魔物を食べる習慣が無いからかもしれない。


「魔物ー?マイお姉ちゃんー守ってー。あー、それともボクがやるー?」

「どっちよ。と言うより貴女私より強いじゃない。」

「魔物が来ているのか?…ふむ。確かに来ていそうだな。ただ遠くないか?」


 私は驚いた。まだ距離は植物換算で1.5km以上はある。メリーさんでさえその距離は気付けない。


「マイお姉ちゃんはねー。そこら辺すごいんだよー。」

「そこら辺とはどこら辺だ。」

「シュウ君。魔物来てるけどどうする。植物情報だとまっすぐ突っ込んできてるみたいだけど。」

「あ…お姉ちゃん…宜しく。」


 シュウ君はモグモグ食べながら発言した。呑気なものである。慣れとは怖いね。

温度センサー皆無の皆さんです。これで良いのか?


あ、そうそう…全くの別件ですが、今お試しでin2xを使った会話型小説と言うものを作っています。

第一弾として以下のキャラクターを作ってみました。物語も一応程度で作ってあります。

https://joy.in2x.com/share/profile?shareId=206206459&lang=ja_JP


アプリダウンロードしないと閲覧は出来ませんので無理強いは致しませんが…興味がある方は

触れてみてください。私としても、生成AIで作成される物語はどんなものかと調査しています。


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