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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
とある教国の異質なシスター
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聖女が誕生したら本来こうなるはずです。違う?

(仕方ありませーん。神様は私の心なーどお見通しです。嘘はバレてしーまいます。ならばいつも通りお願いすーることにします。)


 そしてキャシーは世界平和、教国平和を願って宝石に手をかざした。その瞬間、宝石は眩く白く輝き始めた。直視することすら難しいぐらいに。この世に神が存在するかは分からない。ただ、結局のところ力の有無問わず聖女になって何をしたいのか…それを出来るための力があるのか…正しき道へ歩めるのか…そこら辺の総合評価がこの結果を導き出したのかもしれない。本人が聖女に成りたいか否かは神には関係無い様であった。


(困りまーした。これからどうしまーしょう。)


 この儀式の後大惨事であった。そもそも、仕来たり程度で実施しており聖女と任命される者が本当に出るとは誰も思っていなかったのである。勿論聖女に成りたい人は何人もいた。いたが…成れなかったのである。キャシーは神父等に連れていかれ…とりあえず聖女になった場合の今後について説明された。


「うーむ。大々的に一般公開することは確実だが…それが原因で命が狙われるかもしれぬ。聖女が生まれた場合の聖女の役割は…えーっと、どこかに文献が…。」


 聖女など最早、何かの昔話レベルだったのである。聖女について非公開は出来ない。教国と言うこともあるし、儀式で大々的にバレてしまっている。結局のところ聖女誕生祭みたいなものは準備云々どころではなく直近はやらず仕舞いになってしまった。そして、キャシーは聖女になってもいつも通りの生活を送ろうと格闘だけしていた。しかし…それは不可能に近い案件であった。


(おかしいでーす。何故私に指名ばかり来るのでーしょう。)


 一発目の厄介事は…怪我人や病人治療に対し、キャシーが指名で呼ばれることが爆発的に増えてしまったことである。勿論、そもそもキャシーは白魔法に適性がありすぎて、キャシーでないと治癒出来ない物もあった。ただ、とりあえず聖女様に会いたいや聖女様なら安全等々で患者が集中してしまったのである。勿論、キャシーはそもそもは教会のシスター。掃除等の事務的なこともやっている。それだけでキャパオーバーであった。


(ハンターにも興味無いーのですけど…どうしましょーう。)


 教国のハンターギルドでも聖女がいれば安全だと引っ張ろうとするハンターが出始め、教会に乗り込もうとする輩も出てきた。教会では勿論門前払いだが…平和を望むキャシーにとって、自分のためと思って追っ払ってくれる教会仲間に感謝しながらも手伝いに言ってあげたいと言う不甲斐なさに駆られることに成っていった。


(教国の方でも嫌な噂話を聞きまーす。)


 キャシーは美形女性、年も16歳。教国では誰が彼女と結婚するかで揉めていた。宗教国家なので国王も宗教絡み…ただ、子孫を残させると言うことは聖女を汚すと言う意味にもなる。しかし、彼女が子供を孕めばまた聖女が誕生するのではないか…勿論聖女が妻とかなればそれだけで地位が稼げる等、キャシーは悪い意味で引っ張り凧になってしまっていたのである。

 聖女物のなろう小説も時折読みますが…どの小説も聖女に優しすぎないかと思います(敵対するキャラがいる場合は別)。世界のあらゆる病気を治せ、とりわけ本人に交渉力や財の欲求がなく…誰でも寛容に受け入れますなんて人が生まれたら一ヶ月足らずで死んでしまうと思うんですけどねぇ。人間とはそう言う生き物です。

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