チートスキルを使いすぎた者の末路
(何故バレた?)
今回に至っても、アルビトラウネを上手く購入した後、抵抗されたので洗脳魔法で矯正。部下もそもそも全員操っている。妻や子供も思いどおりに動かすために洗脳魔法を駆使している。直近ハンターが来てここいらを荒らしたが、そいつらを操り、アルビトラウネが王都に来ていることを知り、誰のものでもない…いや、テイマーがいたが子供ならいくらでも対応出来る、最悪子供もろとも洗脳すれば終わり…として行動したはずである。ハンターを派遣した後、急な誘拐は目立つと思い…撹乱のため王都で暴動を起こさせたのだが、この考えが浅はかだったか…。
(って、考えてることがバレバレなのよね。)
魔女は少々の沈黙時間で相手の事情を全て理解していた。最も、他者の心情を読み解く魔法は魔力だけでなく精神力も使う。マイだって植物の話し声を全部聞いてたら一歩も歩けなくなるのと同様…色々な心を読み続けたら自分の心が壊れてしまう。アユミもこれ以上の情報は要らないと判断し、開心術を解除した。
「まあ、お前も俺と同じ日本人だ。仲良く…な!」
侯爵が無詠唱で魔法を放つ。魔女がアリアに魔法をかけたときと同じ魔法が魔女を襲うが…魔女には効果がなかった。
「あらあらー、ごめんなさい。貴方が洗脳魔法をかけるとは想定済みよー。対策してこないと思って?」
「く。おい!そいつを摘まみ出せ!」
侯爵が手元にあるベル…ボタンなのか?…を押すか押さないか…侯爵は座っていた椅子から吹っ飛び倒れ込む。
「うーん、期待してなかったけど…期待外れねー。大人しく私の被検体になれば良かったのに。」
既に侯爵の胸には尖った何かが刺さっていた。頭にも刺さっている。この魔女は本当に前世日本人なのかという行動であった。蛇足であるが、この時一気に洗脳魔法が解除され…洗脳魔法が効きすぎていたものは気を失った。後程目を覚ますのだが。妻の女性は洗脳魔法で操られて結婚している。子供に至っては侯爵の都合の良い様に、生まれて早々洗脳魔法行きである。間違えなく人間として崩壊することは目に見えていた。
(この男、洗脳魔法が使えるからって軽い気持ちで使い始めたんでしょうね。そして上手く行かなくなる度に洗脳魔法で人を操ってるうちに魔法なしでは生きていけなくなった、が正しいかしら。まあ、最後は良い検証が得られたわ。アリアちゃん達の被検体には同じ様にしないようにしないとー。)
魔女のアユミはアリアをどうしようかなぁと半ば笑みを浮かべながら死体を後にするのであった。
どんなに万能な何かがあっても、必ず何かしらの欠点はあるものです。リアル、ゲームの世界、バーチャル世界…上位に行けばそれで良いと言う考えはやめた方が良いと思います。




