雌花の意地
「ゴメン…心配…かけた…ここいらの…人間と…雄花1人…場所…教えて……」
『姫様!そのお体で人間と戦うのですか?』
『雄花を助けようとする志…くー泣けるぜ!』
『しかし、姫様…まずは…』
「良いから…急いで……私が…まだ…戦える…うちに…。」
『わ、分かりました。』
植物達が情報をかき集める。まだ、大穴が空いた場所から出た直後である。既に集まり始めていた野次馬は魔女が全て先手で処理していた。守られている間に、私はどんどん仕掛けていき、遠い敵を殲滅していく。洗脳魔法で操られている雄花がどっか行っても困るため、場所把握と共に彼も束縛しておいた。
「一通りOK?」
「全部じゃないけど…大半…」
魔物だからか、治癒スピードも早い。ポージョンの効果もある。人間では抜いてはいけないだが、その常識も魔物だと変わってくるのかもしれない。
「良し、じゃあ私は先に行くねー。集合場所はここで良いか。そっちも終わったら連れて帰ってきてねー。あ。」
魔女はアリア様になにかを2つ渡した。
「それ、魔力込めて少しするとボンするから。どうせすぐ使うことになると思うから適宜使ってね。」
「え…それって…」
「威力は押さえてあるから、そうねぇ。マイちゃんの従魔の証に着けたらそれだけ破壊して腕はほぼ無傷程度の強さよ。」
「何ですか。私の人生…壊す気ですか?」
「お、お姉ちゃん…僕、テイマー…失格なの…。」
シュウ君は自分が操られていたとは言え私に大怪我追わせたことを悩んでいるのである。
「貴女が私を捨てる…なら私は速攻人間界ぶっ壊…すから。だって、今の貴方の…苦しみを作ったのは人間な…んだし。良い…?こんなの私にとって…見たらかすり傷だし、私が間違って…いたら攻撃してでも止めろと…言ったのは私。むしろ、貴方がいな…いと私が困る。」
私はシュウ君に抱き付きながら説得していた。マイもムサビーネやらそこら辺の影響を受け口調も大分キツくなり始めているのであるが…態度は結局変わっていない。その事がシュウ君を安堵させていた。蛇足だが、かすり傷な訳がない。マイは無理をしていることを出さないのであった。前世の悪い癖である。
「う、うん…僕、お姉ちゃんのために頑張る!」
まあ、この左腕についているリストバンド擬き…青い宝石が一個埋め込まれている…があるから私はデレナール領に入れるのである。これがあるから私はシュウ君と繋がっているのである。嫌なら当に外して殺して逃亡している。
「よしよし…。」
「うん。」
「じゃ、後は皆よろしくー!終わったらここら辺にいるわぁ。」
そして、魔女ことアユミは子供達3人と別れ侯爵家の奥へ進んでいく。
(ま、マイちゃんいるし…あの娘自分で言ってるより明らかに強いから平気でしょ。ただまあ…)
階段を上りながら小言を呟く。
「うふふ…シュウ、マイ。私は魔女よ…。魔女を信じるとろくなことにはならないけど…大丈夫かな。今日の王都による血祭り会場楽しみだわぁ。」
そう言いながらアユミは侯爵がいる部屋の扉を叩くのであった。あたかもお客様として呼ばれたがごとく。




